【週刊粧業2021年8月23日号12面にて掲載】
Instagram内で30秒程度の短い動画を楽しめる「リールズ(Reels)」。コスメブランドのリールズ活用は、「今」から始めた方が良い。その理由と具体的な活用方法を、Instagramで効果的な情報発信を行いたい担当者に向けて紹介する。
リールズはメニューバーだけではなく、発見タブ検索やハッシュタグ検索の上部にも表示される(2021年8月現在)。2021年6月には広告メニューも導入されるなど、Instagramは今、リールズに注力しているようだ。
リールズを活用すべき理由のひとつに、美容の情報収集に使っているユーザー(特に10代~20代)が多いことが挙げられる。
TikTokとリールズの使い方を比較したZ世代への調査(※)では、リールズは美容の情報収集に使われている傾向が特に高かった。割合は全体の87.9%で、リールズからメークの方法を学んでいるユーザーもいる。
フォロワー以外のユーザー、いわゆる潜在層に発信できる点も重要だ。リールズはまだ投稿数自体が少なく、ハッシュタグ検索のトップに出やすい。
新商品発売のタイミングでリールズを投稿し、トップ表示されるケースも少なくないため、今のうちからリールズ投稿に注力すると、競合の先をいけるだろう。「ショップタグ」が付けられるため、購入導線にも繋げやすい。
リールズの初歩の活用法は「フィードのまとめ動画」を作ることだ。フィード投稿をスライドショーにし、動画コンテンツにする。
「商品の使用感がわかるレビュー動画」も良いだろう。文字も入れると、より反響を得やすい。オススメは、新商品発売時の投稿だ。
ホットリンクが独自に調査したところ、既存商品よりも新商品のリールズの方が、インプレッション数・リーチ数・保存数が上回っていた。リールズで美容の情報収集をするユーザーには、新商品の訴求の方が響くようだ。
「インフルエンサーとのタイアップ」も効果が大きい。普段から説明に慣れているインフルエンサーの動画は分かりやすく、特にハウツー(Howto)系などの「見て、すぐ使える」動画は、有益な情報と受け取られやすい。
フィードのまとめ動画と比較して、再生数・保存数ともに数倍多く、売上に繋がった事例もある。ブランドコンテンツ広告に横展開したり、インフルエンサーにも投稿を紹介してもらったりすると良いだろう。
彼らのフォロワーに投稿が届けば、コンテンツに対する好意度がInstagram内で蓄積されるため、ゆくゆくはハッシュタグ検索や発見タブのトップに出たり、自社アカウントの好意度を向上させたりすることも可能だ。
リールズを活用してブランド名のハッシュタグや、シーズン特有の人気ハッシュタグ(#夏コスメ、#クリスマスコフレなど)のトップに出やすくなれば、よりブランドと出会ってくれるユーザーを増やせる。
アカウントの露出が自動的に増える状態を目指して、美容に強い関心のないユーザーにも自社の投稿が届くようになれば、より多くの潜在顧客と接点を持てるだろう。
※「リアルZ世代のトレンドを調べるZ総研トレンド通信〜Z総研トレンド通信Vol.9『Instagram後編』〜」