【総論】省人化・自動化の広がりに期待感

総務省が発表した住民基本台帳に基づく2018年1月1日時点の人口動態調査によると、日本人の総人口は1億2520万9603人となり、9年連続で減少した。主な働き手となる15~64歳の日本人生産年齢人口は7484万3915人(構成比59.77%)で、1995年を除いて毎年減少傾向にあり、構成比が6割を下回った。
人手不足は現在、化粧品業界のみならず産業界で大きな課題となっており、少子高齢化が進む日本では今後ますます進行することが予想される。
IoTやAIといったテクノロジーが日々進化していることで、生産性向上を支援する新たなサービスやツールが生まれている。
宣工社

1970年の設立で、物流加工・発送代行サービスを展開する宣工社は2018年2月、化粧品・医薬部外品のバルク充填から品質検査、包装・アッセンブリ加工、在庫保管・配送までをワンストップでサポートする「川越薬事物流センター」を開設した。
稼働開始から半年経った同センターでは現在、同社が得意とする表示・包装作業への依頼が特に増えている。
表示・包装作業はクリーンルームに準じた600㎡の面積を誇る環境で対応できるほか、3000㎡の資材・在庫保管スペースも有しており、こうしたスケールメリットが大きな強みとなっている。
大成建設

大成建設は、医薬品施設エンジニアリングにおいて、1968年から約半世紀にわたって業界№1の実績を持ち、これまでに160社850件の医薬品工場を手がけてきた。
同社では医薬品分野での豊富なノウハウに加え、数多くの物流施設の構築やロジスティクスコンサルティングの実績に裏づけられた経験を、同じく高度な製造環境が求められる化粧品分野にも応用し、工場の製造品質と生産効率の向上を提案している。
エンジニアリング本部ライフサイエンスプロポーザル部の古谷仁部長によると、化粧品工場における生産効率の向上に関しては近年、インバウンド需要の高まりに伴い、「省人化・自動化」への引き合いが高まっているという。
大日本印刷

大日本印刷(DNP)では、印刷資材の校正から受入検査業務を画像照合で効率化する「DNP画像照合型印刷物検査システム」を提供している。
医薬品や化粧品、医療機器のラベルなどの印刷物には厚生労働省が規定するGMPにより、資材の受入検査記録を保存することが義務づけられている。
しかし、目視で行われる印刷物の受入検査や校正作業は作業員への負荷が高く、経験による品質のバラツキが大きな課題となっていた。
東洋ビジネスエンジニアリング
東洋ビジネスエンジニアリングでは、製造業に特化した生産管理システム「mcframe」のバージョンアップを重ねてきた。
製造業の多種多様なニーズに対応する基本機能と、高い柔軟性・カスタマイズ性能を持ち、生産管理・販売管理・原価管理を支援する。
出典 東洋ビジネスエンジニアリング、mcframeで製造業を支援
プロセス業界、組立・加工業界問わず活用でき、すでに500を超えるシステムが採用された。