アルビオンは、研究部が産声を上げた6年前から「アンチエイジング」というテーマに着目して開発した商品の第1弾となる、原料の段階から“オリジナル”にこだわった新美容液「エクス・ヴィ セラム シナプティック」(40mL・5万円)を2010年10月18日より発売し、店頭および愛用者から好評を得ている。
成分に使用されているのは新開発美容成分「ライン ターミネート NM」(特許出願中)。研究部創設と同時に開発に着手、使用感、浸透性、実効果から美容液として発売することに決めた。従来は保湿効果によりしわの消去を目指していたが、それでは深いしわ、目尻のしわなど深く刻まれたしわは取れないため、今回、表情筋とその神経伝達エリアに働きかけることで深いしわの解消を目指した。
超高級品は従来、総合的、総活性の効果を追求してきたが、5万円という高価格帯で「しわ」という1つの機能のみを追求するのはあまり例のない、贅沢なことだ。筋肉の緊張状態をほぐすことで、しわをなくすことを目的に開発しているので、その人本来の美しい顔、表情を取り戻すことができるという。
同社は創業時より、特に基礎研究の分野に関しては、コーセーに依存していた面が強く、商品企画・開発、人材教育、営業、生産物流等、徐々に独自性を打ち出してきた中、研究部門だけは長く独立性が薄い時代が続いてきた。
6年前からは新卒採用を始め、人員の拡充を図るとともに、アルビオンらしい独創的な商品をつくるために、現在は30名弱の専任スタッフを揃えたほか、白金研究室(教育センターのB2)、王子研究室(コーセーの研究所に1室独立した部屋を設置)、この6月に開設した秋田・藤里町の白神研究所の3拠点を整えた。
3拠点それぞれ役割が異なっており、「王子研究室」は製品研究グループが常駐。主に処方の研究開発や商品開発部が企画したアイディアを実際の商品にするための研究を行い、「白金研究室」では美容科学研究グループが主管となって化粧品の効果検証(肌測定等)、美容ソフト(美容理論)やハード(美容機器)の開発を行っている。
新たに新設された白神研究所では、植物に特化した原料の開発や基礎研究を行うほか、実際に使用する原料(植物)の委託栽培、地域貢献なども活動に加えている。ちなみに白神研究所では、ヨモギやハトムギ、菜の花などの栽培を既に進めているという。
「エクス・ヴィ」は1988年に、高級品専門メーカー・アルビオンの“象徴シリーズ”との位置づけで導入したブランド。近年、高級品のハードルが高くなってきている一方、アンチエイジングニーズの高まりから、高級品の購買層が広がっており、この「セラム シナプティック」も、対象を高年齢層・富裕層と限定せず、若年層でも化粧意識の高い人なら広く受け入れてもらえるという確信のもとに導入した。
クリームなどで、10万円を超える商品も市場には導入されているが、同社では「高ければいい」という考え方ではなく、あくまでも使い続けてもらえることを目指し、適正価格として5万円に設定した。
アルビオンでは、セミナー等で試したお店からは「しわが、すーっと消えた」と好評を得ているといい、サンプルの数も「エクス・ヴィ」では過去に例のないくらいの数を用意して対応したい考え。
新商品をきっかけに、新しい出会いをつくり、他社の高級品ユーザーはもちろん、同社の愛用者へも「エクス・ヴィ」の魅力を伝えていく。そのため今後は、第2弾、第3弾の商品開発を含め、エクス・ヴィシリーズの強化・拡充を図っていく方針だ。
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この記事は粧業日報 掲載
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