Clear & Simple ― 無駄をそぎ落として、モノゴトをなるべくシンプルに考え、進め、クールに仕事をこなす会社でありたい――。この思いを社名に反映させたシーエスラボ(本社=東京)は、カスタマー(C)・サティスファクション(S)のため、チャレンジ(C)・スピリット(S)の精神で化粧品、医薬部外品の受託製造を行う、完全開発型のOEMである。スキンケア製品に強く、製造の9割を占め、残りはボディとヘアケアを主に手掛けている。
2004年7月に創業し、現在約90名の従業員が勤務する同社では、部門を多数設け、事業分担を細分化していることが強みであるという。
これについて林社長は、「SEのように研究者が営業も兼務する形が最も理想的」としながらも、会社として能力を保有するには仕事の分担が必要だと説明する。
「1人にすべての役割が帰属すると、個人が100人分のはたらきをする場合もあるし、反対に、10人揃っても成果を生まない場合もある。営業は単なる御用聞きではなく、中身の情報も知っていなければならないし、新しい素材も発見しなければならない。けれども、そんな超人はなかなか育成されないので、会社の体制でその仕組みを作って、会社として、その能力をストックしている」(林社長)
一例を示すと、一般的なOEMと同様に、リクエストをもとに製造する「研究開発グループ」と、原料や安全性情報の追究に特化した「素材管理グループ」、「営業グループ」が商品開発部門で一元管理される、というような体制である。
現在、素材管理グループでは、大学の研究室やメーカーと提携して原料を1次、2次加工し独特の製品を提案したり、同グループ管理下の「素材開発部」では、マーケットを意識して自発的に開発を提案したりと、様々なプロジェクトを進行中である。
群馬県に位置する工場は、安心・安全・信頼を大前提として品質重視の生産体制がとられ、白を基調とした清潔感あふれる建物が来訪者に信頼を与えている。平均年齢が35歳という、一般的な工場と比較して若い従業員がいることで現場に明るさと活気をもたらしている。
林社長が「他社との圧倒的な差異」と言うように、工場内には、開発製品の保湿性や浸透率といった製品の機能面での効果を「有用性評価」として分析データ化を可能にする設備を備えている。2年ほど前から導入しており、メーカーから一部データをとってほしいと頼まれることがあるという。今後、説得力の高い提案のために、同社の製品すべてにデータをベタ付けすることを目標に掲げる。
さらに、社内には準社員としてデザインを手がけるスタッフもいる。物流に関しても一貫して請け負えるよう万全な体制を敷いている。
「品質管理、生産管理、小ロットは当然のことで、個性が出ない。だから当社は、有用性評価を始め、開発面で圧倒的な差異をつけた。物流も請け負っているので、ワンストップで業務を行える」(林社長)
もともと林社長は、知り合いに誘われ、28歳の時に同業別会社の社長として創業から経営に携わっていた。
22期目を迎えるその社では、「創業当初から運送を手伝っていた」こともあり、シーエスラボでは、そこでの経験が生かせているのだという。
林社長が別会社の社長として経営を担っている最中、社内で「第2工場を建設しよう」という計画が浮上したため、「もう1つ工場を建てるなら別法人を創ってしまおう」と考え、シーエスラボを興した。創業から3年ほどは、2つの会社の社長業務を兼務していた。
しかし、事業内容が被っていることもあり、業務に齟齬が生じ始めたためシーエスラボのみの経営に専念した。
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