ライオン・濱逸夫社長、2012年度（平成24年度）新入社員入社式訓示

　今年はライオンに68名のニューフェイスを迎えることができました。新入社員の皆さん、入社本当におめでとうございます。夫々の想いを胸に秘め、期待と不安の中、今日ここに座っていることと思います。全国にいる約4000名のライオン社員が、テレビを通じて新しい仲間の入社を心から歓迎しうれしく思っています。

　昨年は、東日本大震災、福島原発事故等、未曾有の激甚災害の1年でした。ライオン社員やその関係者の中にも、実際に大変な生活を余儀なくされた方も、大変な不安と闘ってきた方も多くいます。社員全員が心を痛め、支援活動にも多くの社員が参加してくれました。今年入社した新入社員の中にも、大変な状況の中でライオンの試験を受け、入社してくれたメンバーがいると聞いています。

　新しいライオンのステートメントに、“いつも人のそばにいて、めぐり来るすべての一日の、人の清潔、人の健康、人の快適、そして人の環境を守りつづけること．それこそが、私たちライオンの変わることのない使命であり、誇りでもある。”との言葉があります。私はこのフレーズが大好きです。是非、新入社員の皆さんだけでなく、ライオン社員全員がライオンで働くことを誇りに毎日の仕事を積み重ねてほしいと思います。

　世界は今、目まぐるしく変化しています。この変転極まりない時代だからこそ、周りの変化に飲み込まれないように守っていくのではなく、変化をチャンスと捉えて新しいことに挑戦し、成功を掴んでいくことが非常に大切だと思います。外の情報に対して鋭敏でありながら、かつ本質を見失わずに将来のあるべき姿を描くこと、そしてそれを実現するために徹底して取り組むこと、これが重要です。

　今日我々の仲間になった皆さんは、これからのライオンを担い、5年後、10年後には会社を背負って活躍していく皆さんです。ライオン社員としてビジョンを共有し、その実現に向けて若い力を躊躇することなく、大いに発揮してくれることを期待しています。ライオンも今年から新しくなりました。そして、私自身も新社長としてのスタートを切りました。新たな節目で入社してきた皆さんと、これからの成長を競い合いたいと思います。

　今日から新入社員の皆さんのライオンでの歴史が始まります。まず最初の10年、この10年で多くの感動を味わってもらいたいと思います。研究、生産、営業、スタッフ、どんな仕事であっても、自分の創意工夫で、まずは小さな達成感を勝ち取ってほしいと思います。最初は本当に小さなガッツポーズだと思いますが、少しずつ大きな仕事を任され、苦労して成功に漕ぎつけた時、大きな喜びと自信を獲得することができます。自らの創意工夫で小さなガッツポーズを繰り返すこと、これを仕事の癖にしてほしいと思います。そのためには、何事にも「好奇心」と「執着心」を持つこと、これが全ての源泉です。これから皆さんは多くの壁にぶつかり、悩む時もあると思いますが、いつも新しいことにチャレンジする前向きな好奇心に転換し、ブレークスルーする方法をいつも創造し、繰り返し、繰り返し行動すること、これを忘れないでほしいと思います。

　分子生物学の本を読むと、生物の細胞は環境によってその進化の道を変えることができる。それが生物と無生物の最大の違いであるといわれています。皆さんは、会社人としてはまだまだ生まれたばかりの卵です。自らを進化できる環境に置いて、多くの細胞分製を繰り返し、逞しく、高い機能を持つ細胞体へと成長してほしいと思います。皆さんと一緒に仕事ができることが本当に楽しみです。

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