シバハシケミファ、流行に左右されない多機能化粧品原料を育成

週刊粧業 2012年12月3日号 14ページ

シバハシケミファ、流行に左右されない多機能化粧品原料を育成

 化粧品・医薬部外品の原料商社であるシバハシケミファは2012年度(11年10~12年9月)、「基剤やノンシリコンシャンプーに対応できる添加剤の実績が伸びた」と振り返るように、主力の業務用ヘアケア関連の原料が堅調に推移した。

 プロユースの業務用製品では「シリコンを使わない開発が一般市場で流行するよりも前からテーマの1つになっていた」と語るように、そのニーズに応えられる頭髪用原料を揃えてきたことが昨今の実績増につながっているとの評価だ。

 取扱原料では、成和化成より取り扱う「プロモイス」シリーズが好調を持続。羊毛由来の高分子加水分解ケラチン「プロモイスKR30」は、シリーズ内でもニオイと色相を大きく改善する特徴に評価が高まっている。

 昨今、原料の大きなトレンドが見られないことから、「今年度も原点回帰的にヘア関連の原料の紹介を強化していきたい」とし、既存原料に関しては、新たな切り口を見出し、新規性を感じられる提案につなげていく。

 ヘアケア分野以外では、美白剤など付加価値スキンケア製品への配合に適した原料の提案を強化している。

 一部を紹介すると、片倉チッカリンより取り扱う「発芽ミレットエキス」は、国産キビ芽から抽出したエキスで、メラニン生成を抑制し、日やけによる色素沈着を改善するなど美白作用を持つ。サンスクリーン剤への配合に適した原料として提案している。

 また、清水化学より取り扱うマンナン(グルコマンナン)を素材とする高純度の保水性スクラブ剤「プロボール」、増粘剤「レオックス」シリーズと、セティより取り扱う植物由来のワセリン様固形油脂の「クレマリン・ピュラ」は、保水力や保湿力といったそれぞれの持つ有効性とともに、使用感や感触の改善を目的に利用されることもある。

 「処方段階で機能を持たせられる原料や、テクスチャー評価が高い原料など汎用性の高いものは、安定的な需要を確保できる。新規性の高い原料とともに、トレンドに左右されない原料も育成していきたい」(同社)


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