化粧品には法令や規則、規制、基準といった様々なルールが存在しており、
一つ一つのルールについて詳しく解説する書籍やサイトは多くありますが、
全体を通して化粧品のルールを説明しているサイトはなかなか見つけることができません。
これは「化粧品」という言葉が持つ製品のフィールドが
あまりにも広いために関係する行政機関が多数存在するからです。
各行政機関は国民の生活や適切な化粧品会社を保護し、
社会を発展させるために日々お仕事をされています。
ですが想像してみてください。
例えばサッカーのワールドカップで各国が独自にルールを作ってしまったら、
大会は運営できるでしょうか?難しいですよね。
だからサッカーではFIFAという団体がルールを一元管理しています。
対して化粧品にはFIFAのように一元管理をする団体が存在しません。
そのため、多くの行政機関が発表する多様な規制が複雑に絡み合っており、説明が難しいのです。
これが化粧品のルールを全体的を通して説明しているサイトがなかなか存在しない理由です。
そのような中ではありますが、
本コラムではできるかぎり多面的な視点を持ち、
可能な限り全体的なルールを平易な言葉で説明してゆきたいと思います。
今回は入門編として化粧品成分のルールにおいて
最も重要な規制の1つである「化粧品基準」について説明をしていきます。
「化粧品基準」は平成12年9月に発表された厚生省告示331号のことで、
それまで厳格なルールに縛られていた化粧品業界の規制を緩和しました。
(出典:厚生労働省ホームページ)
化粧品基準には、大きくわけて4つのことが記載されています。
①使用してはいけない成分
②配合量を守れば使用して良い成分
③防腐剤、紫外線吸収剤、タール色素
④化粧品に使われるグリセリンは不純物であるジエチレングリコールの含有量が0.1%以下であること
化粧品基準の別表1中に30の項目が指定されています。
物質そのものが指定されている場合もあれば、
化合物や誘導体など、まるっと記載されている場合もありますのでご注意ください。
その他、医薬品成分、生物由来原料、化審法についても確認が必要です。
医薬品成分:医薬品成分とは「日本薬局方」という辞典に収載されているもので
化粧品には使用できませんが、以下の成分は前例の範囲で使用できます。
-平成13年3月31日までに化粧品成分として承認を受けた成分
-「化粧品種別許可基準(昭和36年2月:厚生省告示第15号別表)」に記載されている成分
生物由来原料は
(出展:厚生労働省ホームページ)を確認します。
化審法とは「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第 117 号)」のことで、
第2条第2項に規定する第一種特定化学物質、同条第3項に規定する第二種特定化学物質、
その他これらに類する性状を有する物であって
厚生労働大臣が別に定めるものを確認するようにとされています。
「
忘れずにそちらも確認しましょう。
化粧品基準の別表2に指定されています。
記載されている"粘膜に使用することがある"とは、一般的にはアイライナーかリップ、歯磨き粉が該当します。
(※「 」(出展:厚生労働省ホームページ))
防腐剤は化粧品基準の別表3、紫外線吸収剤は化粧品基準の別表4で指定されています。
タール色素は化粧品基準の中で赤色219号と黄色204号は
爪か髪用の製品にしか使えないと規定されています。
「 」も
忘れずに確認しましょう。
これはわかりやすいですね。
ただし、製品としての不純物では無く、
原料としての不純物ですので製造所でないと判断がつきません。
工場との連携を密に確認を行いましょう。
以上が化粧品基準として定められているルールです。
私達は禁止成分なんて使わないよ!なんて方も要注意。
使われている香料が何の成分で抽出されているか把握していますか?
許可されている保存料の中ですら、
経時で分解されることで
①に関連する物質を作り出してしまう成分があることをご存知ですか?
最悪、行政機関から自主回収を勧められてしまうなんてことも…
たくさんのルールがあって嫌になってしまいますよね。
リスクを最小限に抑えるためにも
新しく化粧品を扱いたいと考えた時は
無理せずエキスパートの力を借りるようにしてください。
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