資生堂、バイオフォトン測定で顔の酸化ストレスの部位差を発見

粧業日報 2019年12月2日号 1ページ

カンタンに言うと

  • 酸化ストレスレベルは加齢・シワと密接に関係
資生堂、バイオフォトン測定で顔の酸化ストレスの部位差を発見
 資生堂は、東北工業大学との共同研究により、超高感度冷却「CCD(Charge Coupled Device)カメラ」による肌のバイオフォトン(UPE)測定技術を応用することで、紫外線ダメージなどによって肌に蓄積される酸化ストレスを顔全体の広い範囲で評価することに成功し、顔の酸化ストレスには部位差があることを初めて明らかにした。

 また、同技術を用いて、酸化ストレスレベルは加齢に伴い増加することや、酸化ストレスレベルとシワには密接な関係があることも見出した。

 今回の発見を通じて、肌の部位ごとの酸化ストレスに応じた適切なスキンケア・サンケア製品の開発や、より効果的な使用方法の提案など、様々な領域への活用を目指し、研究開発を進めていく。

 同研究成果は「国際化粧品技術者会連盟(IFSCCミラノ中間大会2019)」でポスター発表を行った。

 肌からは、バイオフォトン(UPE)と呼ばれる目には見えない極めて微弱な光が発生しており、この微弱な光は酸化ストレスに伴い増加することが知られている。

 同社は2018年に、超高感度冷却CCDカメラによる測定技術を応用することで、バイオフォトン(UPE)を撮影し、肌を傷つけることなく、肌の酸化ストレスを高精度に可視化する技術を開発。これにより、日やけ止めが紫外線を防ぎ、酸化ストレスの発生を抑制することや、化粧品に含まれる緑茶抽出液が紫外線ダメージによって生じる酸化ストレスを抑制する効果があることを視覚的に証明することに成功している。

 バイオフォトン(UPE)は非常に弱い光のため可視化には高い技術が必要で、広い範囲を正確に観察することは非常に難しいことだったが、今回、顔全体の酸化ストレスを評価することに成功した。

 その結果、眉間・鼻周りの肌が他の部位に比べて酸化ストレスが高い状態にあることがわかった。この部位は顔の中でも紫外線が当たりやすく、皮脂の多い部位なので、酸化ストレスが高くなっている可能性が考えられるという。

 日やけ止めをこまめに塗り直したり、しっかりとスキンケアを行うなど、部位に合わせたケアの重要性が示唆された。

 同測定技術を活用して、各年代の女性の目周りの肌の酸化ストレスを評価したところ、肌の酸化ストレスレベルは加齢とともに増加し、酸化ストレスレベルの高い肌ほどシワのスコア(程度)が高まることを見出した。
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