「クリーンビューティ」は未だ明確な定義がされていない概念ではあるが、ビューティ業界では主に⾹⽔、⽇やけ⽌め、アルミニウム容器などが体に害となる成分を含んでおらず、かつその使⽤成分が公開されている場合を指す。
⼀時はニッチなトレンドとして扱われた「クリーンビューティ」は欧⽶ではすでに主要なビューティートレンドとなっている。
インスタグラムでは、#cleanbeautyというハッシュタグを付けた投稿が400万件を超えている。⼤⼿化粧品専⾨店のセフォラでは独⾃に「クリーン・アット・セフォラ」と書かれたクリーンビューティ商品を⽰すシールを作成し、クリーンビューティをビューティ業界における新たなスタンダートに位置づけようとしている。
「⾃然由来の商品」「環境に優しい商品」がクリーンビューティの狭い定義であるが、セフォラのプログラムでは上述したシールを獲得するために無害な原料が使われていることはもちろん、環境に優しいパッケージや持続可能な資源の獲得にまで配慮しなければならない。
セフォラの他にも「ファーマシー」「Tata Harper」は⾃社のブランドを「グリーンクリーンビューティ」ブランドと称し、サステナブル誓約をしたり、リサイクル可能なパッケージの使⽤、GMO(遺伝⼦組み換え)原料を使⽤しないとしている。
⼀⽅、中国での認識はどうだろうか。中国での「クリーンビューティ」は未だにニッチワードではあるが、クリーンビューティのコンセプトは中国消費者にも徐々に広まっている。メジャーチャイナのSNSデータ分析では、「clean beauty」および「#纯净美妆」「#纯洁美妆」という関連キーワードは、2019年には中国の有名SNSである「⼩紅書(RED)」でほぼ⾒当たらなかった。
ところが、20年初頭から「clean beauty」をつぶやいた投稿数がなだらかな増加傾向を⾒せており、中ではクリーンビューティの細かな定義や関連ブランドまで紹介しているものもある。
「ドランクエレファント」や「ファーマシー」などのグローバル・クリーンビューティブランドは中国市場で早めに成功を収めているが、同じ時期に中国初のクリーンビューティブランドである「Dewy Lab」もデビューしている。
同社はパラベン、タルク、ホルムアルデヒド、マイクロビーズフリーな商品を作り、妊娠中の⼥性といった使⽤成分に敏感なグループに特化した商品であることを強調している。
さらに、「成分党(成分マニア)」と呼ばれるグループ向けの商品であることを⾃称している。「成分党」とは化粧品の成分、効能にとりわけ敏感な⼈たちを称する⽤語である。
5⽉1⽇、中国当局は中国で販売している海外ブランドに対し、動物実験を免除することを決定した。
それにより、今後中国の消費者は⻄洋では広く知られているが今まで中国市場に進出できなかった有名ブランドによる多様なコンセプトに、より晒されるであろう。
中国消費者がビューティブランドの商品を選ぶ際、単に⾃分の肌に合うだけでなく、ブランドが主張する価値や個性まで考慮する⽇はそう遠くないかもしれない。
【メジャーチャイナ】(記事提供元)
中国EC・SNSのビッグデータを収集し、ビジネスインサイトを提供するデータ分析会社。
中国で取引される1億7000万個のコスメ商品の売り上げ/価格/効能/原料等の属性別トレンド分析データ、レポートを提供。Unilever,AMOREPACIFIC,Johnson&Johnson等のグローバルブランド、証券アナリスト等が本社のサービスを利用。
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