資生堂、スパチュラ自立格納容器の開発に成功

粧業日報 2022年8月1日号 2ページ

カンタンに言うと

  • 機能性とデザイン性を高次元で両立
資生堂、スパチュラ自立格納容器の開発に成功
 資生堂は、化粧品ならではのデザイン性を確保しながら、持ちやすさや蓋の開けやすさなど、容器としての機能性を高い次元で両立できる、新たな機構を備えたスパチュラ自立格納容器を開発した。

 一般的に、化粧品容器の設計では、顧客の求めるブランドの世界観や高級感、心理的な満足感などにつながるデザイン性が重要視される一方、容器として中味を安定に保存する基本的な性能に加え、使用時の持ちやすさ、蓋の開けやすさなどの機能性を両立することが求められる。

 スパチュラによって製品に高級感や清潔感を付与することができるが、使用後に格納する場所がないことも多く、スパチュラを自立させて清潔に格納できる容器形態は、容器サイズや蓋の形状などの制約が多いことから、デザイン性と機能性を両立する自立格納容器の設計を実現するには技術的に高いハードルがあった。

 その一番の要因は、スパチュラとともに内側に取り付ける中味容器の位置が制約されることだった。理想的には、中味容器の中心を外側の容器の中心からずらして、中味容器の側面にスパチュラを自立させて配置すれば、容器内部の空間を効率よく配置することができ、持ちやすさや蓋の締めやすさなどの機能性を両立することができるが、既存の機構では、蓋を閉める際に蓋の内部とスパチュラが接触してしまい、中味容器の中心が外側の蓋の中心とずれているため、そのままでは中味容器を密閉できなかった。

 新開発の容器は、「自動回転制御メカニズム」を既存の蓋の内部のパーツに搭載することで、蓋を閉める水平方向の回転動作に合わせて内部のパーツも同時に水平方向に回転した後、所定の位置になると自動的にパーツの回転が止まり、そのまま降下するため、格納したスパチュラの先端が蓋の内部と接触することなく、通常の容器と同様に中味を密閉・保管できる。

 なお、スパチュラを格納する空間は、中味などによる汚れを拭き取りやすい構造とし、レフィル容器などを展開するサステナブルな商品設計においても、その機能性とデザイン性を両立することを可能にしている。これにより、スパチュラを清潔に格納することはもちろん、スパチュラの先端を取り出しやすい高さに突出・自立させるとともに、デザイン性も両立する容器が実現した。

 このデザイン性と機能性を両立したスパチュラ自立格納容器を、9月21日発売予定の「ベネフィーク リュクス リブルームナイトクリーム」に活用していく。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 資生堂、スパチュラ自立格納容器の開発に成功

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop