東洋ビューティ、スキンケアODMで実績を上積み

週刊粧業 2022年8月22日号 6ページ

東洋ビューティ、スキンケアODMで実績を上積み
 化粧品ODM/OEMの国内大手の東洋ビューティは、研究・企画開発を強化するスキンケア分野のODM提案が進み、2022年12月期上期は前年同期の実績を上回って推移した。

 小井戸利行常務取締役(営業本部本部長・海外事業担当)は、高機能化を推進してきたヘアケア分野に加え、「スキンケア分野も顧客の要望に対して柔軟に対応できる体制が強化されてきたという実感はある」と述べ、次のように話した。

 「コロナ禍でDXの取り組みが加速した影響で、消費者の購買行動・意識の変化が見られ、それにともない、顧客の要望もどんどん多様化してきている。当社も社内のデジタル化・DXを推し進め、顧客からのあらゆる要望に対し、スピード感をもって対応できる体制を強固にしていく」

 スキンケア分野では、営業企画が中心となってマーケットリサーチを進め、「デジタル」「ヘルスケア」「エシカル」「パーソナライゼーション」「コト消費」の5つのテーマを軸にODM提案を強化している。

 「『withコロナ』のライフスタイルが定着していくことを見据え、スキンケア分野のフォロー体制をより強固にしていく必要性を感じている。RSPO対応原料の使用など、環境配慮やSDGsに沿った取り組みは特に、積極的に進めている」

 好調のヘアケア分野は、高機能化・高付加価値化のトレンドを追い風に、原料サプライヤーとの連携やタイアップを強化・推進していく計画だ。

 「原料ベースからヘアケア製品の開発を推進している。企画とエビデンスの両輪で、ヘアケアの高機能化に寄与していきたい」

 今期は海外事業でも大きな動きを示した。今年3月に中国・上海に現地法人「東洋美麗(上海)国際貿易有限公司」を設立し、8月8日より営業を開始した。

 「インバウンドとアウトバウンドにより日本製の化粧品に対する機能性や品質への信頼性に対する評価が高まり、ODM/OEM製品を通じて、中国企業との取り引きが増えてきていた。日本国内と同様のスピード感で、中国ローカル企業の製品開発依頼にも対応できる体制を整えていく」

 現在、海外事業の売上構成比が占める割合は数%だが、中長期的に10%まで引き上げていく計画だ。

 中国現地法人は、将来的に中国市場進出を目指す日本企業のサポートも強化する。

 中国化粧品市場はコロナ禍も成長拡大しているが、その一方で、法規制の変更が続いており、日本企業の進出ハードルになっている。小井戸常務は、「中国対応のプロジェクトチームを組んで、申請の手続きなどのサポート業務も含め、中国市場向けのODM提案も強化していく」としている。
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