ツバキスタイル、業界初の化粧品版「ボトルtoボトル」に着手

C&T 2022年9月15日号 18ページ

2022年9月30日 14時00分

Ct20221001 32 1

 化粧品・トイレタリー容器メーカーのツバキスタイルでは、10年程前から再生PETやバイオマスPET、PEを導入した容器の製造・販売に注力しており、環境対策樹脂の使用量は化粧品業界でも最大規模に及ぶ。しかし、こうした容器も最終的には捨てられたり、燃やされたりすることは否定できないため、回収から容器製造までを一貫して行える仕組みの構築に着手した。

 取り組みを開始するにあたっては新会社「BEAUTYCLE」を設立、容器大手のグラセルも資本参加しており、当面は両社の供給した容器を優先回収し、リサイクルしていくという。

 なお、佐賀・神埼市に2階建て延床面積4000㎡のリサイクル工場と、延床面積1650㎡の倉庫を建設し、2023年春に工場を稼働させる予定となっており、化粧品、トイレタリー容器における「回収→洗浄→粉砕→樹脂化→容器再生」という水平リサイクルシステム構築を目指す。

 工場には、1カ月でPET約250トン、PE/PP約150トンの処理が可能なラインを作る。また、FDA(米国食品医薬品局)の認証を受けた機械を導入することで、食品容器としても利用できる品質を実現し、より安心できるリサイクル化粧品容器の製造、販売につなげていく。

 BEAUTYCLEの取り組みに賛同した新日本製薬では、使用済容器を店頭で回収し、水平リサイクルによって同じ容器に再生させる「パーフェクトワン リサイクルプログラム」を実施した。

 今年4月からは全国のパーフェクトワン直営店に容器回収BOXを設置し、回収した容器はBEAUTYCLEにて「資源」として活用、同じ容器へと再生させる。新日本製薬との取り組みでは消費者からポジティブな反応がみられた一方で、課題も見えてきたという。

 「消費者にはこれまで化粧品容器を再生のために持っていくという習慣がなかったことから、飲料ペッボトル以外のプラスチック製品でも回収して再生することができるという認識を広めていく必要があるだろう。まずは、パーフェクトワン リサイクルプログラムのように指定の商品で協力いただける企業との取り組みを中心に検証を進めていき、将来的には大手の小売業と組んで、大規模な回収・再生にも着手したいと考えている。ただ、ドラッグストア等には数多くの商品が並び、シュリンク包装だけの容器もあれば、洗浄による除去が難しい加飾が施されている容器もある。それぞれ洗浄のしやすさが異なることから、現在は、塗装・蒸着・強化ラベル仕様などの特殊な加飾にも対応できるよう、技術的な検証を行っている」(代表取締役 杉山大祐氏)

 今後については、化粧品業界はもちろん、異業種ともアライアンスを組んで、マーケティング的な取り組みやリサイクルに関する啓蒙活動を行っていく方針だという。

 「BEAUTYCLEのコンセプトに賛同していただける企業やSDGsの見識者とアライアンスを組み、勉強会やセミナーを実施したり、これまでの成功事例をPRするなどして輪を広げ、飲料PET以外のプラスチック製品でも回収・リサイクルができるということを、様々な形で発信していきたいと考えている」(杉山氏)

 また、ツバキスタイルは、成形から加飾まで一貫生産を行うことができる自社工場を持っている。原料やエネルギー、段ボールなどの副資材、運送費など、各種コストの高騰が続く中でも、そうした強みを活かし、各工程での効率化や生産設備の強化、管理の徹底などを通じて、コスト削減に取り組んでいる。



 ユニークな容器を次々と生み出す新たな価値創造力も同社の強みといえるだろう。

 直近では、使った分だけ収縮して中身を酸化から守るデラミ容器や、見た目の美しい二層式容器の引き合いが多く、二層式容器については、シャンプーやトリートメントなど、ヘアケアでの採用が増えている。

 「当社では、大ロットでコスト競争をして規模で勝つというよりは、その対極を行くような、容器としてのユニークさやオリジナリティを追求して、その価値に見合った価格を認めていただき、提供するという取り組みを進めてきた。こうした状況だからこそ、製品の価値を増幅させる提案力がより一層重要になってくるだろう。当社では、一貫生産を行える自社工場でできる限りコストを吸収するとともに、強みの提案力で価値ある製品を提案することで、単純な値上げに頼り切らない形での対応を進めている。各種コストの高騰が経営を圧迫することは確かだが、企業としての競争力を高める良い機会でもあると、ポジティブに捉えている」(杉山氏)

購読申し込みはこちらから行えます

アクセスランキング

  1. 1位 11月29日 10時00分
    化粧品業界、アフターコロナを見据え...
  2. 2位 11月29日 10時00分
    シーオーメディカル、「湘南美容まつ...
  3. 3位 11月28日 11時00分
    資生堂、唇の角層成分を包括的に解析
  4. 4位 11月29日 12時00分
    2022年ドラッグストアの化粧品販売戦略
  5. 5位 11月28日 12時00分
    ポーラ、「美肌県グランプリ2022...
  6. 6位 11月29日 12時00分
    ロゼット、東洋思想から着想を得たス...
  7. 7位 11月29日 11時00分
    ライフスタイルカンパニー、自社コス...
  8. 8位 11月29日 14時00分
    伊勢半、マスクに付きにくいティント...
  9. 9位 11月29日 11時00分
    マツキヨココカラ、美容感度の高い顧...
  10. 10位 11月28日 13時00分
    ライオン、オーラルケアメディアセミ...
  1. 1位 4月6日 13時00分
    テスティー、15~24歳女性を対象...
  2. 2位 11月23日 14時00分
    花王、「鬼滅の刃」とのコラボで需要喚起
  3. 3位 4月17日 15時00分
    【週刊粧業選定】優良化粧品OEM/...
  4. 4位 11月21日 14時00分
    ライオン、手肌のうるおいを保つ薬用...
  5. 5位 11月24日 11時00分
    コーセー、役員人事(2023年1月...
  6. 6位 11月24日 13時00分
    花王、レジリエントな新しい生産シス...
  7. 7位 11月25日 10時00分
    アルビオン、組織変更(2023年1...
  8. 8位 11月24日 10時00分
    コーセー化粧品販売、組織変更・人事...
  9. 9位 11月23日 12時00分
    小林製薬、さぼったリングの企画品を...
  10. 10位 11月25日 11時00分
    コーセー、2022年12月期第3四...
  1. 1位 4月6日 13時00分
    テスティー、15~24歳女性を対象...
  2. 2位 4月17日 15時00分
    【週刊粧業選定】優良化粧品OEM/...
  3. 3位 11月4日 11時00分
    資生堂、世界初のサステナブルな化粧...
  4. 4位 12月4日 20時00分
    医薬品と指定医薬部外品の違いとは?
  5. 5位 11月1日 16時00分
    ライオン、下期は「Lighteeハ...
  6. 6位 8月4日 10時00分
    小林製薬、顔に使えるアットノンが若...
  7. 7位 5月10日 14時53分
    HRK・岩本初恵社長、病魔に打ち勝...
  8. 8位 9月10日 10時08分
    サイエンスボーテ・大坂社長、異色の...
  9. 9位 1月8日 10時40分
    サンスター、コロナ禍で殺菌成分「C...
  10. 10位 10月31日 12時00分
    資生堂、触感を司る細胞が香り成分で...

Sub tit market

Sub img market

週刊粧業/C&Tを一部から。今すぐ欲しい!今回だけ欲しい!そんなご要望にお応えし、一部毎にダウンロード販売でご提供致します。

週刊粧業マーケットへ

化粧品業界に従事される皆様のビジネスチャンスをつなぐ製造依頼サイト。優れた化粧品業界のパートナーをすばやく見つけていただくことができます。

くわしくはこちら

マーケティング情報

マーケティング/商品企画/プロモーション担当の企画業務を支援する情報が満載。Power PointのPDF版では記事フローチャートで情報整理しご提供。

お役立ちマーケティング情報ページへ

調査レポート

毎年、週刊粧業が行う調査結果レポート総計をCD-Romにて販売。非常に利用価値が高く、化粧品業界の企業戦略には欠かせない知的コンテンツ。>
有料(1コンテンツ CD-Rom)
50,000円(税込、送料込)~
※Windows版のみ

週刊粧業 消費者調査データの購入はこちら

ネットリサーチ大手、クロス・マーケティングが最新のトレンドをまとめた一般向けには公表していない自主調査レポートを無料でダウンロードできます。

クロス・マーケティング 消費者調査データ(閲覧無料)

カスタマーコミュニケーションズ

全国のドラッグストア、スーパーマーケットの
ID-POSデータから市場トレンドを気軽にチェック。個数ランキング上位10商品の市場シェア(個数)とリピート率をご覧いただけます。

データ

レシートシェアランキングカテゴリ

Sub tit asia

アジア化粧品市場を捉えたアジア進出支援プログラム

アジア化粧品市場を捉えたアジア進出支援プログラムでは、ASEANや北東アジアなどへの進出を考える化粧品メーカーを後押しすべく、様々なコンテンツを用意しています。

ページの先頭へ