グリコ栄養食品、敏感肌の悩みを解決するミネラル素材 POs-Ca を紹介

　続いて、第2バリアのタイトジャンクション構成タンパク質である、オクルディンとクローディン4に対してPOs-Caがどのような影響を与えるのかを検証した。正常ヒト表皮角化細胞に、POs-Caを0.1％添加したところ、12時間後、24時間後において、オクルディンとクローディン4の遺伝子発現が増加したことが確認できた（図2）。

　さらに、実際にタイトジャンクションが形成されているのかを確認するため、正常ヒト表皮角化細胞を用いてタイトジャンクション構成タンパク質の免疫染色を行った。タイトジャンクション構成タンパク質が存在している部分は、細胞の周囲が染色される。POs-Caを添加していないControlでは細胞周囲への染色がみられないが、POs-Caを0.1%添加した場合では、クローディン1、クローディン4、オクルディンのいずれにおいても細胞周囲の染色がみられ、細胞周囲にタイトジャンクション構成タンパク質が局在していることが確認できた。

　「これらの結果より、POs-Caが第1バリアの角層と第2バリアのタイトジャンクションの2つのバリア機能を向上させることがわかる」（中井氏）

　POs-Caのもう1つの効果として、ターンオーバーの正常化が挙げられる。ターンオーバーが乱れると乾燥や肌荒れなど、敏感肌の症状につながる。

　8週間におよぶ長期ヒト試験では、肌荒れ気味の女性21名（20～55歳）において、2%POs-Ca水溶液を1日2回、通常のスキンケアの直前に塗布した。その結果、角層水分量の増加、経表皮水分蒸散量の減少が確認でき、肌の乾燥を防ぐ効果が期待できることがわかる。さらに、肌のキメ個数を0週と8週で比較したところ、8週間ではキメ個数が増え、キメが細かくなり、肌状態が整っていることが確認できた（図3）。

　また、ターンオーバーが速すぎると細胞が未熟、ターンオーバーが遅すぎると細胞が過熟となり、どちらにおいても重層剥離率が高く、肌状態が敏感肌に近づいてしまう。POs-Caを塗布し続けた8週間後では、重層剥離率が低下し、角層が正常な状態になっていることが確認できた。

　なお、ターンオーバー速度は角層細胞面積と相関があり、ターンオーバーが早い若年層は角層細胞面積が小さく、ターンオーバーが遅い傾向にある高齢層は細胞面積が大きい傾向にある。そこで、若年層と高齢層の両方で、POs-Ca添加後の角層細胞面積の推移を確認したところ、若年層は大きく、高齢層では小さくなっており、適切な細胞面積、ターンオーバー速度へ導くことが期待できる。

　「POs-Caはターンオーバーを正常化し、負のサイクルを停止させることで、敏感な肌の悩みを解決し、QOLの向上に寄与する。サステナブルな素材かつ中文INCIも取得しており、化粧水や美容液、乳液、クリーム、シャンプーやトリートメントなど幅広い剤型に使っていただける」（中井氏）