日進化学、付加価値創造の実現へIT投資

週刊粧業 2023年10月16日号 53ページ

日進化学、付加価値創造の実現へIT投資
 化粧品OEM/ODMとエアゾール事業を展開する日進化学は、「生産性の向上」と「付加価値の創造」の2つをテーマにした成長戦略を推進している。

 その核となる開発技術部門は、剤型や職種によって細分化し、高付加価値な製品づくりを実現する研究開発体制を構築している。開発技術1部(エアゾール)、開発技術2部(液体化粧品)、ODM開発、プロセス開発課の4つに分かれ、それぞれの専門性向上を図っている。

 付加価値創造の実現に向けては、産学連携にも取り組んでいる。開発技術1部では、密閉容器に気体を閉じ込めることが可能なエアゾール剤型に着目し、機能性成分の皮膚への浸透性を高める研究を大学と進め、製品化に向けてエビデンスを蓄積している。

 髙田寛社長は、成長戦略の一環で「直接部門、間接部門を問わず業務システムのIT化・デジタル化を推進し、運用段階に入っている」と話した。基幹の生産システムに同期させ、効率化や品質向上につなげていく。

 「処方管理システムのデータベース化も推進し、開発処方など自社リソースを効率よく活用できる体制を整えた。近年台頭してきているファブレス系の企業は、企画・デザイン力があるだけでなく、開発スピードも速い。処方データベースの活用により、開発期間の短縮化を実現する。同時に、若手研究員の早期戦力化も図っていく」

 若手人材の育成では、メンター制度を導入し、社内コミュニケーションの活性化を主眼に置いた開発体制も構築している。また、外部コンサルを採用することで論理的な手法を用いた企画開発を行っている。

 髙田社長は、「ODM開発への投資は、安定したOEMの成長があるからこそ可能である」と述べ、「生産工程の最適化を進めるプロセス開発課の功績も大きい。今後もQCD向上につながる技術開発を進め、コスト競争力のある筋肉質なOEM体制を整えていく」と話した。
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