第12回 「売りたいモノと売れるモノには誤差がある」

 新年に創刊する、某化粧品メーカーさんの女性誌型カタログのプロデューサーとして、活躍中のビューティライターとメーカーご担当の方を集めたキックオフミーティングを行いました。

 約3時間に渡るブランドラインナップと商品説明が終わりに近づいた頃、いつも物静かなビューティライターのA子さんが「最後にいいですか」と写メを見せながら発言、「実は化粧水マニアで有名な友人のビューティライターに、各メーカーのPRの方から新製品やロングセラーの化粧水が届くのですが、随時20本位の化粧水を並べておきながら仕事用に試した後プライベートで使うのはたった一本。それが御社のもので、どこで買えるのか教えていただけますか」というプライベートな質問でした。

 その「一本」こそ、創刊号の顔になるのでは? と興味津々に先ほどうかがったどの商品なのか答えを待っていると、「こちらはドラッグ用に別にお作りしているものです」と、ご担当の方から心なしかトーンの下がった声で答えが返ってきました。

 美容のプロが並居る化粧品ブランドの一押しを抑えて、リピートしたいと思っているのがドラッグラインだったことに少々驚きながら、さらに愛用の理由を聞いてみると「必要な成分がきちんとフォーカスされて、容量もたっぷりなのにお手頃価格。気にせずガンガン使えてローションパックにも最適」ということらしいのです。

 高級なものはもちろん良いけれど、いざ自分で買うとなると、プロなだけにその効果と価格のバランスにシビアになる。そのうえで、この化粧品をリピートしたいというのですから、これは女性消費者目線に立った信頼できる情報です。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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