第4回 中国内販へ向けたブランド戦略

 上海は、中国に進出しようとするブランドの最初の出店地、もしくは旗艦店の出店地として選ばれることが多い都市です。

 上海の高級百貨店や有名商業施設の入居条件は厳しく家賃も高いので(路面店も同様です)、上海の店舗だけで考えると採算を取りづらいのが実情ですが、各ブランドは、こぞって上海に出店しています。

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 では、なぜ各ブランドは、採算の取りづらい上海での店舗展開を重要視するのでしょうか?

 上海は、これまで中国国内の情報発信拠点として発展してきたため、最新のファッションやトレンドが中国国内で初めに導入されてきたという経緯があります。

 その経緯から、他の都市(特に内陸部)の小売関係者は、定期的に上海の小売動向をリサーチして自社の売場づくりに活かしていますので、上海の一等地に出店しているブランドは、他の都市への出店が容易になるというメリットを享受できます。

 また、中国の消費者にとって、上海の一等地に出店しているブランドへの信頼感は絶大です。ですから、上海の一等地に出店することで、「最先端で高級なブランド」という印象を消費者に与えることもできます。

 つまり、上海はショーウインドーとしての機能があるのです。

 これらのことから、上海への出店は、中国でのブランディングのため、また、中国内販への足がかりとして、非常に重要なファクターとなっています。

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浅井潤司

(株)矢野経済研究所主席研究員

2000年に矢野経済研究所に入社後、主にビューティー・リラクゼーション業界の市場調査、分析業務を担当。また、調査・分析業務だけでなく、中国市場進出支援、販路開拓支援、新規事業支援、地域振興・産業振興支援などのコンサルティング業務も手がけている。

http://www.yano.co.jp/china/

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