第40回 「世代を越えて価値観を共有できる時代」

 「絶対、気が合うはずだから」。

 20年来私のことをよく知る友人が、夏休みを利用して帰国すると、アメリカ、ヒューストン・バレエ団で活躍する、若き日本人バレリーナとのお食事会をセッティングしてくれました。仕事関係ではない女性同士は、会ったその瞬間に「この人と友達になれるかどうか」が大切で、ファッションやメークを通じてその人のライフスタイルや考え方をとらえることになります。

 当日の私のファッションは、胸元半分と、背中全体が白の総レースのカットソーにマキシ丈の黒のスカートを合わせ、白鳥がブランドモチーフのスワロフスキーのクリスタルリングを、ユーモアとしても通用するかナの想いで、ひとつだけつけて出かけました。お店の個室は靴を脱ぐスタイルのようでしたので、ペディキュアは、OPIのマットでも光る新しいホワイトに。

 湿度の高い東京、「どうぞ、ロングヘアの巻きが取れませんように......」と祈りつつ、待ち合わせの和食屋さんに向かって歩いていると、「浩子さんですか?」と、後ろから声をかけられました。

 振り返ってみると、艶やかな黒髪をひとつにまとめ、目元にはターコイズのピアスと同じ色のシャドウとアイラインを軽く引いただけで、目ヂカラ充分な美しい女性が立っていました。「彼女に違いない!」。そう思ったのは、胸元が大きく開いた黒とブルーのバイカラーブラウスが、バレリーナのデコルテラインの美しさを際立たせていたから。「ナチュラルなのにセクシー。潔のいいカッコよさ」。まだ何も話していなくても、彼女が大切にしていることや、価値観が伝わってきました。

 食事をしながら、ヒューストンを選んだ経緯などをインタビューしましたが、何度も出てくるのは「チャレンジ」「オネスト」という単語。年齢差はあっても、外見だけでなく内面でも共感する部分がたくさんありました。

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中村浩子

(株)ヴィーナスプロジェクト代表取締役社長

「JJ」「VERY」等ファッション誌の編集・企画を手がけ、黒田知永子や三浦りさ子等、その時代を代表するタレントをプロデュースし、トレンドを生み出してきた。 現在まで読者モデルを1万人以上発掘しており、現在は女性消費者を取材し続けてきたノウハウを活かし、ファッション・アクセサリー・ビューティに関わる商品開発やイベントを企画、ブランドプロデュース、コンサルティングまで幅広く行っている。

http://www.venus-project.jp/pro/02.html

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