第8回 在庫の過大計上

【週刊粧業2014年12月1日号5面にて掲載】

 皆さんこんにちは。公認会計士の山藤です。

 第8回では、最も耳にする会計不正の1つである、在庫の過大計上について書いてみたいと思います。

 〈不正事例〉

 小売企業Aでは、各店舗において原則としてPOSシステムを使用した商品の在庫管理を行っている。しかし、POSシステムを導入していなかった店舗で、管理部担当取締役の指示により、店舗担当者が実地棚卸票上の在庫数値を水増しすることで、期末商品在庫を過大計上していた。

 〈発生要因〉

 今回のように、ある店舗で在庫が過大計上されれば、売上原価が小さくなり、利益は大きく計上されます。予算達成のプレッシャーが強い企業では、部署の責任者が業績達成のために、店舗担当者に在庫の過大計上を命じるケースもあると考えられます。

 その結果、企業は、誤った財務諸表を開示してしまうだけではなく、正しい需給予測ができずに、生産計画や販売計画を誤ってしまうことになります。こうしたリスクを防ぐために、在庫は適切な金額及び数値で計上され、管理されることが必要になります。

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田中計士

新日本有限責任監査法人 シニアマネージャー

2000年、監査法人太田昭和センチュリー(現新日本有限責任監査法人)に入所後、化粧品、食品、宝飾品などの消費者製品メーカーを中心とした監査業務に従事。その他、株式公開支援業務、内部統制アドバイザリー、デューデリジェンス、経理財務専門誌への寄稿、セミナー講師等、幅広い業務を行う。

http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/industries/basic/cosmetics-and-toiletries/

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