第22回 展示会出展で気をつけたい3つのポイント

【週刊粧業2017年6月19日号4面にて掲載】

 日本においても外国においても新規取引先開拓の場・販路拡大の場として重宝されているのが展示会です。今回は商標の観点を中心として展示会において気をつけておきたいポイントを3つほどご紹介したいと思います。

 1つ目は、なんといっても冒認商標(第三者による商標の盗み取り)の問題です。展示会は会社・商品のアピールの場ですから、当然商品のロゴマークや会社のハウスマークが露出していくこととなります。そして、名刺交換をしたところその名刺をスキャンした荒い画像で冒認出願されてしまうといったことはこの世界では日常茶飯事です。

 注意が必要な地域としては東アジア及び東南アジアが挙げられますが、特に中国では出願印紙代がどんどん安くなってきていることもあり、気軽に出願されてしまう傾向にあります。具体的には、中国の昨年1年間の出願件数は日本の16万件程度に対して370万件近くに上っています。

 このような中で、出願されてしまってから悪意の出願であるとして取り消す試みも可能ですが、時間も費用も労力もかかりますので、展示会出展をよい機会としていち早く出願してしまうのが一番の良策です。

 なお、私の専門である商標を中心としてお話しいたしましたが、カタログやサンプル、ビデオなどからデザインを模倣されてしまったり、技術を盗まれてしまったりといったケースもよく聞かれます。商標が最も盗みやすく守りやすいのでこちらを最優先にすべきですが、その他の権利に関しても意識しておく必要があります。

続きを読むには無料会員登録が必要です

  • PC、スマホからいつでも
  • WEBでかんたん記事検索
  • 化粧品業界の優良記事を
    お届け
この記事のお問い合わせはこちら

髙橋 伸也

フルブルーム国際商標事務所 所長弁理士

早稲田大学政治経済学部卒業。日本でも数少ない商標専門事務所を経営。化粧品・日用品業界をはじめとした中小・ベンチャー企業の商標出願支援と外国・国際商標出願支援を得意としている。商標・ブランディングの専門家として数々のメディアに寄稿している。

http://www.fullbloom-tm.jp/

一覧に戻る
ホーム > 連載コラム > 第22回 展示会出展で気をつけたい3つのポイント

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop