【週刊粧業2017年1月30日号4面にて掲載】
コンサルティングでクライアントにお伺いした際に、時折、大切な会議の時間が確認作業になっているような光景を目にすることがあります。
これは、スタッフ各自が自分が担当している取り組みについては把握していても、他のスタッフが担当する取り組みについてまで十分に把握が出来ていないために起こります。その為、本来の目的である、アイディア出しや課題解決の為の打ち合わせが出来ず、確認作業の時間となってしまっているのです。
そこで質の高い打ち合わせや迅速な課題解決のために、今取り組んでいる施策内容や、お客様に送っているツール類などの情報を一覧にするなど『見える化』することが大切です。
化粧品通販会社A社では、商品発送時にお客様に送る同梱ツールについて見直しをしたいと考えていました。
お客様に必要と考えられる情報が発生するとその都度ツールを作り、同梱をすることを繰り返していたため、多くの情報が一度に届けられていました。
そこで、現状の同梱物の洗い出しと、その目的を見える化することで情報のダブリや、伝えるべき情報の優先順位をつけることができ、スムーズに見直し作業に取り掛かることができました。
化粧品通販会社B社では、壁に模造紙で作られたカレンダーを貼り、3カ月先まで予定している施策内容について書き込んでいます。他部署が何を行っているのか、会社全体としてどのような方向に動こうとしているのかを共有出来ていなかったためです。
今では、常に見えるところにカレンダーがあるので、各部署の取り組み内容を一目で確認でき、その結果、互いの取り組みに関心を持つことにもつながったことから、内容の濃い会議の運営に役立っています。
通販会社C社では、お客様から寄せられた喜びの声を壁一面に貼り出しています。
以前までは、お客様から寄せられた声を担当部署だけが目を通し、その後は、ダンボールなどに閉まっていました。その為、打ち合わせの際、お客様の声を知っている者と知らない者では、課題についての認識のズレが生じていました。
壁一面に張り出すことで、認識のズレが埋まり、さらにスタッフのモチベーションアップにもつなげることができました。
円滑な会議を進めるためにも、迅速な課題発見のためにも、全社的に情報の見える化をしてみてはいかがでしょうか?