【週刊粧業2017年3月6日号4面にて掲載】
化粧品通販では、毎月または2カ月に1回自動的に商品をお客様のお手元にお届けする定期コースというサービスがあります。これは、確実なリピート注文を見込めるという魅力があり、各社定期コースへの誘導を積極的に行っています。
しかし、定期コースに上手く誘導できても、商品をしっかり使ってもらい、効果や必要性を感じてもらえないと、最終的には、定期解約が増えてしまいます。そこで、定期コースの継続率をアップするために、各社、商品啓蒙の徹底や買いやすさの追求などを行っています。
化粧品通販会社A社は、効果がないという理由で定期解約をされるお客様の多くが推奨する量を使っていないということがわかりました。そこで、効果を実感してもらうには、正しい量を使ってもらうことが大切であると考え、1回分の使用量が入ったパウチを数日分送り、毎日のお手入れに必要な量を知ってもらうことに役立てています。
非対面販売である通販では、スタッフがお客様1人1人丁寧に使い方を伝える事は難しく、商品と同梱するツールなどの力に頼るしかありません。いかに、わかりやすく伝えるかという工夫がとても重要になってきます。
化粧通販会社B社は、何故その商品を使う必要があるのかを、美容理論を交えながら啓蒙する取り組みを徹底して行っています。配合成分などの処方面の特徴を伝えるだけでは、その商品を使う必要性の深い理解にまで届きません。しかし、肌にとってどのようなお手入れをすることが必要であるかを理由まで伝えることで、商品理解度が増し、結果長く使い続けてもらうことにつながっています。
また、化粧品通販会社C社では、継続率の高いお客様は、商品のお届け日を変更したり、お休みなどのサービスを活用している傾向があることがわかりました。一般的にはお休みをせず、毎月商品をお届けしているお客様のほうが、継続率が高いと考え、いかに変更、お休みをさせないかという視点で取り組みを考えます。
しかし、この傾向から、お客様にあった買い方が手軽に出来ることが、お客様との関係を長く保つことが出来ると考え、Webサイトから簡単に変更、お休みが出来るようにしたり、また、その方法の手順書を同梱するなどして、手軽さのアピールをしています。
定期コースの継続率をアップするために、何故、解約をしてしまっているのかの理由を知ることで適切な対応を取ることができます。まずは、お客様の声、買い方の傾向などを深く調べてみてはいかがでしょうか?