何百種類もの組み合わせの中から導き出した高級オイルの誕生秘話
コーセーは、AWAKE(アウェイク)のフェイシャルオイル「アロマ エッセンシャル リペア」(20mL・8000円)を2011年2月4日に発売するのに先立ち、11月11日、新製品発表会を開催した。
「アロマ エッセンシャル リペア」は、アロマ効果と美肌効果を併せ持つ、深いやすらぎとうるおいをもたらすフェイシャルオイル。3種のオーガニックエッセンシャルオイル(サイプレス、ネロリ、クラリセージ)の芳香が、やさしく上質に響き合い、肌なじみのよい4種のエモリエントオイルが硬く乾燥した肌のキメ乱れも美しく整え、ふっくらとハリ・ツヤのある若々しい肌印象に導くという。
アロマテラピーのオーソリティであるジャン・ヴァルネ博士の哲学を継承した日本を代表するフィトテラピスト・アロマテラピストの日下部知世子氏と、女性の肌と心とストレスの関係を見つめ続けてきたアウェイクが、約1年という歳月をかけ何百種類もの組み合わせの中から導き出した“森林浴ビューティケア”発想の美容液オイル。
その開発秘話について、元永千穂さん(コーセースキンケア製品研究室香料グループ専任研究員)と日下部知世子さんに話しを伺った。
――今回のオイルの特徴は。
元永 日下部先生のスペシャルなブレンドで、3種の希少なオーガニックエッセンシャルオイルを贅沢に使った構成になっている。今回は、採算を重視するとなかなか沢山は入れられないケースが多い中、「本物をつくろう」ということで非常に高価なオイルをふんだんに使用している。
リラックス効果のあるネロリは、水蒸気蒸留により得られるエッセンシャルオイルで、精油は開花直後の花数トンから数グラムしか採取できないため、希少で高価なもの。その中でも代表的な産地であるチュニジアに限定している。
一方、サイプレスは、森林浴の効果が得られるエッセンシャルオイル。居ながらにして森林浴の効果が得られるという香りに仕上がっている。
クラリセージは、スパイス的な感覚の香りの広がりや奥行きを与えている。
それぞれにストレス軽減効果があり、相乗効果も高いので、この3種のブレンドは最強だと思っている。疲れを癒したり、よく寝れたりそういう効果もある。
――こだわりのオイルが完成した今、率直な感想は。
日下部 サイプレス(「アウェイク」ブランドの中核的な成分)というテーマにぴったりの処方を完成させるのに、コーセーのスタッフの皆さんと話しをして、オーガニックにこだわった原材料を探してもらった。
大手化粧品メーカーが、ここまでこだわって作ってくれたということが何より嬉しかった。スタッフの方々が盛り上げて下さって、植物療法家としての私のオイルへのこだわりというのを皆さんが理解してくれた。私一人の力ではもちろん完成に至ることはない。
化粧品づくりというのは多くの方が関わって出来上がるにもかかわらず、一糸乱れず同じ目的に向かって一年間できたことにとても感謝している。
――どういった人々に使ってもらいたいか。
日下部 働く女性はすごくストレスが多いと思う。そういった方々に是非使って欲しい。私も家庭と仕事を両立して生きている中で、本当に自分がいつくしむ時間みたいなものが商品(アロマオイル)として完成できたらいいなと常々考えていた。女性が誰でも自分で自分を癒せるものの一つのコミュニケーション手段としての、オーガニックと癒しにこだわり抜いたオイルを開発できたと思う。
サイプレスの香りを活かしながら、ネロリがその女房役として華やかさを引き立て、クラリセージが、ストレスなどによるホルモンの乱れを整えてくれる。
――特にこだわった部分は。
日下部 癒しを求める様々な年齢層の方々に幅広く使って頂きたいという思いから、何としてもネロリを使いたかった。しかしながら、ネロリは極めて高価なオイル。中でもオーガニックのネロリオイルは最高級で、ローズオイルの最高級のものと同等のもの。それだけネロリを使うということは大変なことだが、私の思いをよく理解し、オーガニックを追求した一番いいオイルを探索し提供してくれた。
――「ネロリ」や「クラリセージ」の認知度は。
日下部 まだまだ低いと思う。アロマテラピーを勉強している人には、「ネロリ=高級オイル」というイメージがあるが、浸透具合というのは一般的ではない。ですから、敢えてここでサイプレスの引き立て役として、ネロリやクラリセージを選択し相乗作用を狙うことにした。
――この美容オイルに点数をつけると。
日下部 文句なく100点満点。本当にチームワークが良く、楽しく仕事をさせてもたった。一般的に、仕事をしているとつまずくことはよくあるが、今回のプロジェクトは、全てがトントン拍子に上手くいった。モノづくりには、スタッフの「気」というものが必要だが、この美容オイルには、全てのスタッフが商品に込めた熱い思いが「いい気」となって入り込んでいると思う。
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この記事は粧業日報 掲載
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