化粧品OEMのエフシー中央薬理研究所(本社=静岡県藤枝市、朝比奈照雄社長)は、自然派化粧品に強みを持ち、スキンケアを主力に業容を拡大してきたが、近年、メークについても強化を図っており、金額構成比でメークの割合が年々高まっている。
前期(11年6月期)は、ナチュラル志向で急成長を遂げるメークブランドの製造元としての認知が高まりメークが好調だったほか、スキンケアやヘアケアの新製品導入も相次ぎ、売上高は前年比で2ケタ伸長を果たした。
こうした中、同社では、メークによる成長が今後も期待できると判断し、現在、国内外の工場増設を同時並行で行っている。
国内においては、5カ年計画で2014年をめどに本社工場(藤枝市)の増築を進めており、完成後には現状の140%ほどの稼働を見込む。これにより、効率化が一層進み、納期にもより迅速に応える体制が整う。
一方、海外においては、今秋から来春にかけて、タイ工場(チョンブリ県)の施設拡張、設備増強を進める。現在よりも30%程度、生産能力を引き上げることで、日本向けの輸出をスタートさせる。
「まずはメークアップで取扱アイテム数を大幅に増やし、日本企業からのあらゆるリクエストに応えられる体制を整える。また、ボディケアやスキンケ ア、フレグランスなどの設備をより充実させ、タイ国内、日本にとどまらず、中国・ミャンマー・ベトナムへの輸出も積極化していきたい」(相川功一東京営業所長)
タイ国内では、化粧品企業に限らず様々な企業が進出を図っており、優秀な研究員の確保が次第に難しくなっている。そこで同社では今年3月、バンコク市内にラボと営業所を兼ねた拠点を設けた。
これにより、優秀な研究員の確保が順調に進んだほか、試作依頼への対応が早まり、「取引先との商談成約率も高まっている」(相川氏)という。
今期は、前述の施設面での強化を進めるとともに、「研究者と営業マンが一体となった提案型営業に磨きをかけ、新原料を活用した製品をクイックに紹介する」(森本隆東京営業所研究課長)ことを徹底し、国内では20%増、海外では倍増以上の売上拡大を目指していく。
この記事は週刊粧業 掲載
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