2012年化粧品業界 基礎データ|週刊粧業

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2012年化粧品業界 基礎データ|週刊粧業

◎2012年化粧品流通別出荷実績
一般品と訪・通販品がともにプラス成長へ
中価格帯の不振響き、制度品が2.6%のマイナスに

 経済産業省が集計している2012年の化粧品出荷実績は、1~10月までの累計で、金額が0.4%増、個数が2.9%増と、前年同期をやや上回るペースで推移している。10月以降も概ね堅調に推移しており、前年実績はオーバーしそうだ。

 一昨年はリーマンショック後の最悪な状態から脱しつつあると思われた矢先に東日本大震災が発生し、全流通チャネルで出荷・配送の遅延が起こった。特に躍進を続けてきた通販もマイナス成長に陥り、全流通チャネルにおいて前年割れとなった。その数値との比較となる2012年は好転が予想されたが、政治の混乱により経済の先行き不透明感は増したこともあり、最終的に前年比0.4%増となった模様だ。

【表】過去5年間の化粧品の流通別出荷推移(2008年~2012年)
流通別(制度品、一般品、訪・通販品、その他)の金額、成長率、構成比

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◎2012年化粧品関連新製品発売動向
ロングセラー化に向け新製品の厳選投入傾向強まる
平均単価は前年の大幅減を受け小幅のマイナスに

 2012年化粧品関連の新製品発売個数(新色、改良品、限定品含む、2012年11月30日付粧業日報発表分まで)は、1254個少ない2378個、平均単価は10円下がって4104円となった。

 2012年の化粧品市場を振り返ると、各社ともロングセラー化に向けてブランド育成を図ることに重点を置き、厳選した商品のみ投入する動きがみられた。資生堂やコーセー、アルビオンなどでは特徴のある新製品が開発されるまでは新製品を出さない方針が示されており、こうした動きが他のメーカーにも波及している。一方、平均単価については、震災の影響で消費マインドが大きく落ち込んだことに対応するために300円近く値を下げた前年に対し、今年は男性化粧品やヘアケアで高付加価値化が進展したため、小幅のマイナスにとどまった。

【表】過去3年間の新製品発売動向(2010年~2012年)
品目別(スキンケア、メークアップ、アイメークアップ、ヘアケア、フレグランス&ボディ、男性化粧品、レジャー&エチケット、ファミリー&ベビー、ハンド&ネール、化粧雑貨&美容健康食品)の前年比、構成比、平均単価

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◎2012年化粧品品目別発売状況
全10カテゴリーで数量減もヘアケアなど一部で単価アップ

 2012年に発売された化粧品の数量や価格から、どんな傾向が読み取れるか――。本紙が集計している製品用途分類別販売状況がまとまった。直接の取材やメーカー発のリリースをもとに、姉妹紙「粧業日報」と「訪販ジャーナル」に掲載された新製品を網羅している(2011年12月~2012年11月発売分)。数量と価格の変化から浮かび上がる2012年の傾向を、全10カテゴリーで分析した。

【表】2012年製品用途分類別販売状況(化粧品)
カテゴリー別(スキンケア:11品目、メークアップ:7品目、アイメークアップ:7品目、ヘアケア:10品目、フレグランス:9品目、男性化粧品:13品目、レジャー&エチケット:6品目、ファミリー&ベビー:8品目、ハンド&ネール:9品目、化粧雑貨&美容健康食品:10品目)の数量(前年比)と平均単価(前年比)

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◎2012年日用品品目別発売状況
数量アップの傾向、価格も洗浄剤などが上昇

 2012年の日用品の販売状況を製品用途別(洗剤・洗浄剤・仕上げ剤、口腔衛生品、消臭・脱臭・芳香剤、殺虫・防虫剤、衛生・救急製品、紙製品、シェービング、その他日用品類)に分類した。数量がアップしたのは、仕上げ剤や殺虫防虫剤、衛生・救急製品、紙製品、その他日用品類であった。

【表】2012年の製品用途分類別販売状況(日用品)
カテゴリー別(洗剤:4品目、洗浄剤:5品目、仕上げ剤:2品目、口腔衛生剤:5品目、消臭脱臭芳香:6品目、殺虫防虫剤:6品目、衛生・救急製品:4品目、紙製品:4品目、シェービング:3品目、その他日用品類:3品目)の数量(前年比)と平均単価(前年比)

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◎業態別化粧品販売推移(2008年~2012年)
通販・ドラッグストア・百貨店がプラスに
2012年の化粧品販売高トータルで前年比0.4%増に

 週刊粧業の推計では、2012年の化粧品販売高はトータルで前年比0.4%増となった。過去5年間の推移をみると、2008年までほぼ横ばいながら増加基調にあったが、09年、10年、11年と3年連続でマイナスとなっていた。12年の業態別販売高は、震災による落ち込みの反動で2~3%伸長するのが本来の姿と思われたが、デフレ圧力が予想以上に大きく、蓋を開けてみると微増にとどまった。

 2012年の化粧品業界を振り返ったとき、真っ先に思い浮かぶのは、10大ニュースでも2位につけた「低価格スキンケアの競争激化」である。このことが、化粧品業界におけるデフレ傾向に拍車をかけた大きな要因であることは間違いない。

 高価格帯が伸びたうえで、二極化のもう一方の主役である低価格帯が伸長するのであれば健全といえるのだが、高価格帯市場がそれほど活性化されない中、低価格帯の競争が激化し、デフレ傾向が助長されてしまうという現状は化粧品業界にとって由々しき事態だ。もし、低価格帯を伸ばしたいのであれば、それ以上に付加価値品を投入し高価格帯を伸ばす努力が求められる。

 2012年は、前年に震災の影響により一時的にマイナス推移となった通販とドラッグストアが再びプラスに転じた。さらに、前年に営業休止や営業時間短縮を余儀なくされ苦戦が続いていた百貨店も増加に転じている。

【表】過去5年間の業態別にみた化粧品販売高(2008年~2012年)
業態別(化粧品店、訪問販売、量販店、薬局・薬店、CVS、百貨店、理美容室、通販・その他)の金額、構成比、前年比

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◎装身具、規模縮小に歯止めかからず
事業所・出荷額とも大幅に減少

 装身具業界ではグローバル化の波に飲み込まれ、海外からの安価な製品が大量に流入した。このため、し烈な価格競争に直面した国内製造業者は軒並み苦戦を強いられている。この状況を受け、経済産業省がとりまとめた工業統計でも、国内製造事業者の規模が縮小しているのがみてとれる。

【表】過去10年間の装身具の年間出荷額・事業所数(単位100万円、事業所は4人以上が対象)
【表】過去8年間の一世帯あたりの品目別支出額(装身具、化粧水、乳液、ファンデーション、口紅)

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