広住勝朗 大和証券シニアアナリスト
店頭売価安定で各社成長見通し
今年は、化粧品・トイレタリー市場をややポジティブに見ている。
理由としては、日本国内の事業環境が予想していたよりも良い状態にあること、そして原料の調達コストが安定してきていることにある。
国内の事業環境については、リーマンショック以降、トイレタリー製品を中心に店頭での価格競争が続いたが、今年に入り「店頭売価が横ばいになってきた」という評価が出始めている。
原料調達に関しても、リーマンショックを境に原油やパーム油などの価格が安定してきている。そうした状況を象徴するかのように、昨年のトイレタリー各社の業績は、花王を中心にライオン、ユニ・チャーム、P&Gなどプラス成長が目立った。
花王、ライオンは2013年1~3月の1Qも堅調に推移している。また毎年6月は、両社の上期決算とP&Gの通期決算が重なるため、価格競争のリスクを抱えた鬼門の月とされていたが、店頭での販促合戦もそれほど激しくなかった印象がある。
一方、昨年は初夏が例年より涼しく、フェース・ボディ用シートを展開するマンダム、暑さ対策製品を揃える小林製薬など夏の季節商材を揃える企業の上期業績が悪かった。しかし今年は前年のハードルが低いことに加え、春先から関西を中心に暑い日が続いており、追い風になっている。
海外の事業環境においては、円安・円高の振れ幅が大きく戸惑うところだが、円安と捉えると、円安効果により外需系企業の高成長が期待できる。国内の事業リスク低減と、海外の円安による水増し効果により、アジアを中心に海外事業が好調のマンダム、ロート製薬、ユニ・チャーム、ピジョンなどは業績を伸ばしてくると思われる。(記事全文はこちら)
◎消費税増税前の駆け込み需要を見据えた各社の取り組みに注目
記事掲載企業/花王、ライオン、マンダム、小林製薬、ミルボン
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この記事は週刊粧業 掲載
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