フェイスラボは、化粧品(医薬部外品)と健康食品を手掛けるOEMメーカーで、化粧品に関しては主にスキンケアを扱ってきたが、メークについても研究開発を進めており、関連会社のメーク製造設備を活用することで受注に対応している。今後、急速に技術革新が進んだ場合、「スキンケアがなくなることはあっても、メークがなくなることはまずない」と話す朝比奈謙太社長に現状の取り組みと今後の方向性について語ってもらった。
――業況についてはいかがですか。
朝比奈 今期(2013年9月期)は、15%の増収で推移した前年同時期の反動もなく、ほぼ前年並みで堅調に推移している。
――業績が堅調に推移する中、敢えて課題を挙げると。
朝比奈 取引先からのリクエストに対し、品質・コスト・納期の3要素でそつなくお応えできている一方、他社と明確に差別化できる部分が若干弱いと感じている。
最近では、大学や原料会社との共同研究により、処方開発や新たな素材開発を行っており、数年内に成果を出すつもりだ。技術面でアピールできる強みを持つことが差別化につながっていく。
―― 競合に差異化したいメニューは。
朝比奈 取引先の要望に応じて製品の保管からピッキング、小口配送までを請け負うデリバリーサービスを提供している。
二大都市圏(東京・大阪)の中間に位置している静岡という地の利を活かし、倉庫料はもちろん、配送料についても割安で提供することができる。最近では、ガソリン価格の高騰で物流費用は高くなる傾向にあり、物流費用を少しでも削減したいといったニーズに対応できるものと期待している。
――人材育成についても積極的と聞きます。
朝比奈 来期からは、戦略別に5つのプロジェクトチームを編成し、社員が自ら考え、PDCAを回していく組織に改めるつもりだ。思い描くストーリーから多少ずれてしまった際に、軌道修正をし、その原因を分析することができれば、失敗の確率は低くなっていく。
何よりチームで一緒になって考え、プロジェクトを動かしていく楽しさを一人でも多くの社員に実感してもらいたい。
――新規先獲得に向けた取り組みは。
朝比奈 最近は、営業活動範囲を広げるべく、出張ベースで九州に営業マンが行き始めている。成果が出るのはまだこれからだが、将来的には九州地区にも営業拠点を設けたい。
――今後は、どの分野をさらに伸ばしていきますか。
朝比奈 今後は、医薬部外品とメークをさらに伸ばしていく。
医薬部外品については今期、美白で2品目が承認を得た。来期はヘアケアなど3品目で承認を得たいと考えている。メークについては、アイメークやアイライナー、ファンデーションなどに注力していきたい。
この記事は週刊粧業 掲載
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