健康食品等受託製造を展開しているアピ(本社=岐阜県岐阜市)が、「美容」と交錯した新しい領域で実績を伸ばしている。このところ、二十数年間にわたって研鑽した栄養補助食品ビジネスの蓄積を「健康」に近しい「ビューティ」の分野へ汎用し、商材メニューの鮮度を高めたい化粧品メーカーから評価が集まり始めているという。
黒衣の立場を強調する野々垣孝彦社長は「当社は化粧品のプロではない」としたうえで、従来は取引関係が希薄だった化粧品会社と「市場の需要に対応し、上手にリンクしていきたい」との構えを打ち出している。
顕在化してきた美容のニーズに対応するため、今夏にはC-GMP等海外認証等の取得を視野に入れ「揖斐川ネクストステージ(NS)工場」の稼働を開始する。果たして化粧品の土俵でどのような貢献ができるものか――。野々垣社長に意欲と海路図を示してもらった。
健康と美容の垣根縮小で
商機を実感し注視のいま
――事業者が、カテゴリー「美容」と「健康」の垣根が薄まって来ていると指摘しています。
野々垣 ここ数カ年、身体の外からも中からも美しくなって欲しいという考えによる「インナーコスメ」の概念が化粧品メーカー様に生まれ、市場に新たなカテゴリーを形成してこれが拡大している。
かつては別物の印象だった「健康」と「美容」という訴求ワードが、近年は上手くリンクし合っていると感じる。
サプリメントが美容の業界で使われてきた歴史は古いが、実際、ここ最近の需要拡大に連れ当社の美容ジャンルへの販売実績も増えている。
サプリメントとは、予防医学の概念で成り立っている。身体の悪い状態を改善するよりも、悪い状態へ向かっていく要素を是正することに使用の目的がある。
一方で、「治療」という目的には「薬」が存在している。
こうした定義を踏まえて「美健食」のニーズが拡大している背景を探ると、サプリメントも化粧品も短期的な使用で結果を求めるものではなく、継続的に使うことで機能を求める点に親和性を見出すことができる。
それは「若さ」であったり「美しさ」であったり、長くご愛用いただくことでいろいろな思いを達成する環境へ身体を持っていっていただくことができる。この辺りの共通項が、カテゴリー「美容」と「健康」が近しくなってきた要因の一つではないかと考えられる。
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この記事は週刊粧業 2014年1月1日号 15ページ 掲載
■2014化粧品日用品主要業態の最新トレンド(百貨店)~新客獲得活動と並行する形で百貨店らしさ打ち出す工夫も ■2013年化粧品関連新製品発売動向~アベノミクス効果で単価下落傾向に歯止め、サンケア新基準導入でUVケアが活性化 ◎化粧品~カテゴリー別の発売状況は各ジャンルの売れ行きを反映 ◎日用品~品目別(洗剤・洗浄剤・仕上げ剤、口腔衛生品、芳香・脱臭・消臭剤、殺虫・防虫剤、衛生・救急製品、紙...
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