化粧品受託試験の最新動向、安全性と機能面で需要拡大も差別化が困難に

週刊粧業 2014年1月27日号 8ページ

カンタンに言うと

化粧品受託試験の最新動向、安全性と機能面で需要拡大も差別化が困難に

 カネボウ化粧品の白斑問題もあり、化粧品における安全性の重要性が改めて注目されている。

 「安全性は必須の時代」(関係者)といえ、メーカー各社はこれまで以上にコストと労力をかける必要性がありそうだ。

 そうしたノウハウを自前でもつ大手メーカーだけでなく、今後は新規参入組も含めて安全性の担保に走る動きが加速しそうだ。その際、特に自社で検査インフラを持たない中小クラスのメーカーは、第三者の専門機関に試験を依頼することになる。

 こうした事情などから、本特集を進める中でも、安全性に関する受託試験のニーズが高まっていることが見て取れた。

 他の業界に目を向けると、「冷凍食品に農薬混入」というニュースが年初に駆け巡った。

 これは事件性の高い事例のようだが、消費者は改めて安全性への関心を高めたに違いない。また、TPP(環太平洋経済連携協定)はまだ交渉の出口が見えない状況だが、妥結内容によっては安全性を巡る動きに大きな変化が押し寄せるかもしれない。

 一方、化粧品や医薬部外品の効果・効能を可視化する評価試験のニーズも、近年は高まっている。

 化粧品は他の商材よりもブランド・製品の世界観や情緒的な価値が重要視される傾向が強いとされるが、一方で「肌に対してどんな効果があるのか」という実質的なメリットを求める声もどんどん広がっている。

 その際、現在の消費者動向を考えると、特に第三者のお墨付きを得た効果・効能であることが、より信頼感や価値を生み出しそうだ。

 ただ、現在は「美白」や「保湿」などの単発型のアプローチでは差別化しづらい状況でもある。

 メーカー側は消費者に訴えかけられる特殊な効果や伝達手法を求めており、評価試験を受託する各社にとっては、これまでにない評価系による新たな試験の開発や、既存のメニューを組み合わせて新しいアプローチを提案するなどの対策が求められそうだ。

【記事掲載企業・団体】
東洋ビューティ~機能性評価を販売に活かす提案に厚み、研究開発への投資にも意欲
サティス製薬~販促ツールとして有効活用、取引先の売上拡大をサポート
◎SOUKEN~「発想力」で勝負、育毛・頭皮ケアの依頼が急増
◎DRC~需要増で業績拡大続くも同業連携の課題を念頭に
◎ケイ・エス・オー~抗糖化や育毛などで独自性データ管理や統計解析にも定評
◎TESホールディングス~動物試験代替法が好調でIn vitro試験室を増設
◎ワンネスサポート~産学医の連携サービスにより試験の最適化をコーディネート
◎一般財団法人 日本食品分析センター~分野を超えてノウハウを構築し日々新たな試験法の確立に注力
◎東京理化学テクニカルセンター~医薬・化粧品に特化した分析試験を実施、輸出入に対応する香料分析に自信
◎ベックス~遺伝子解析に基づき微生物を同定、超特急サービスの利用が増加中
◎一般財団法人 材料科学技術振興財団~視認性の高い評価分析を強みに製剤研究・開発をバックアップ

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