化粧品原料の研究開発メーカーである成和化成は、SEPPIC社、Schülke&Mayr社と共同でCITE Japanに出展し、技術発表では出展企業の中で最も多い8題に取り組み、研究開発力をアピールする。
タンパク質加水分解物や紫外線吸収剤内包マイクロカプセルの機能性原料に定評のある同社は、第3の柱として「ビタミンC誘導体」の研究開発を推進し、ビタミンC(アスコルビン酸)とグリセリンの融合により、優れた保湿機能をもたらすアスコルビン酸グリセリルシリーズ「Amitose(アミトース)VC」(図)を展開している。
ビタミンC由来の多様な生理活性を活かしつつ、美容効果や配合用途に特徴を見出した3品目をラインナップしてきた中、新たに「アミトースMGA」と「アミトース3GA」の2品を開発してシリーズを拡充した。
「アミトースMGA」は、親水性と疎水性を有する両親媒性の分子構造を持ち、他のビタミンC誘導体にはないO/W型乳化機能(VC乳化能)を有する。メラニン産生抑制効果の評価試験では、美白成分のアルブチンよりも高く、ハイドロキノンに匹敵する高いブライトニング効果が確認された。
さらに、黄色ブドウ球菌やアクネ菌の増殖を抑制する抗菌作用も確認できたという。以上から、「アトミースMGA」の配合により「防腐剤・界面活性剤フリーのビタミンCクリーム」といった新規性・高機能性を訴求した化粧品も実現可能だ。技術発表では、新しいコンセプトを打ち出せる多機能型ビタミンC誘導体として紹介する。
「アミトース3GA」は、ビタミンC由来の多様な生理活性を持ちながら、コラーゲン産生促進作用、抗酸化作用など複数のエイジングケア効果も兼ね備えたビタミンC誘導体。ジェルやクリーム、乳液など幅広いエイジングケア化粧品に配合することができる。
ビタミンCが美容成分として認知度の高いことを踏まえ、「アミトース3GA」では、幅広い製品へ配合可能なビタミンC誘導体を目指し、安定性およびコストパフォーマンスの高さも訴求した。技術発表では、エイジングに対して多角的にアプローチできる多用途性と高いコストパフォーマンスを打ち出し、様々な商品企画に配合できる成分として「カジュアルエイジングケア」を打ち出していく。
また、主力のヘアケア分野では、成分の機能性に加え、商品企画やマーケティング、販路拡大などにも活かせる内容の技術発表を2題用意した。
「中国対応化粧品の高機能化」をテーマに、中国法規制に対応するだけでなく、機能性の高さとユニークさを兼ね備えた4種のヘアケア成分を厳選して紹介するほか、「消費者セグメンテーション」から分析したヘアケア成分のストライクゾーンを発表する。