国内最大手の化粧品・医薬部外品OEM/ODMである日本コルマーは、大手外資系メーカーへの単独でのプレゼンテーションに昨年招聘されるなど約120名体制による研究開発力を強みに、国内外でその存在感を高めている。
ブランドメーカーや同業社から「研究開発力の強化」を成長戦略の一つに掲げた投資予定の話がある中、同社は今年4月、「横浜研究所」を東京工業大学内に新設し、産官学連携による研究開発を開始した。
神崎友次会長は、改善・改良型の研究開発(プロセス・イノベーション)を引き続き重視して取り組むとしたうえで、横浜研究所では「既存の概念を覆すような新たな価値を見出す『プロダクト・イノベーション』を推進・実現していく」との方針を打ち出している。
生産体制では昨年、静岡工場の稼働を開始し、研究所と同様、国内4拠点化を進め、国内生産能力の向上とともに、東日本エリアの顧客対応力、災害対応力の強化につなげた。
神崎会長は、化粧品業界に限らず、国内の多くの業界が少子高齢化にともなう長期的な市場の低迷化を問題に抱えているといい、「海外の成長マーケットで既存事業の進展を図る一方で、ジリ貧の国内では新たな分野を開拓して売上げを伸ばしていかねばならない状況に置かれている」と強調。新たな分野開拓として、参入ハードルが低く、他業界に比べて利益率が高い化粧品はその候補として選ばれやすいと話し、こう続けた。
「異業種から参入する企業の多くは工場を持たないファブレス企業であり、私たちOEM業界はフォローウインドウにあるが、その分、競争も激しくなってきている。ロボットの導入など自動生産化をさらに進め、生産コストの改善を図り、顧客の利益に貢献できる体制を強化していく」
また、長期的な国内市場の低迷化に対し、同社も海外事業に力を注いでおり、生産拠点を置く中国・蘇州コルマーを中心とした2014年度海外売上高は前年比40%増で大幅に伸長した。今後も「生産拠点の国際化」を推進していく考えだ。
2015年度は日本コルマー単体で売上高250億円、連結で275億円を目指す方針で「計画通りに推移すれば、中長期的な目標に掲げた連結売上300億円の来期での達成も見えてくる」(神崎会長)という。
この記事は週刊粧業 2015年8月24日号 8ページ 掲載
■2014年度化粧品メーカー売上高上位30社調査~30位圏内、過半数が前年度実績上回る ■ランクアップ、店販が予想上回る快調スタート~計画比5倍の約250店に拡大、新客獲得で成果 ◎将来的には10億・550店へ、商品ラインナップも拡充 ◎10期目の今期は売上高70億円へ、様々な挑戦で当初計画から上ブレ ■資生堂、シンガポールにアジア地域本社設立~6地域...
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