東洋新薬は、基礎化粧品の開発で創業し、1990年代後半~2000年代前半にかけて健康食品を中心とした食品ODM事業の色を強めてきた経緯から、現在も健康食品において大麦若葉の青汁や「フラバンジェノール」など独自の素材開発力を強みとしている。
青汁製品としては日本初のトクホを取得し、2005年にはトクホの取得数が国内トップになるなど、研究開発力の高さから健康食品業界のODMでその存在感を高めてきた。
同社が化粧品事業に本格的に着手したのはここ5、6年のことで、国内で内外美容への関心が高まり、化粧品の依頼が増えてきたことが背景にあるという。
現在は、創業から培ってきた研究開発力を活かした「三相乳化」と「医薬部外品」を二本柱に化粧品ODMの提案にも注力している。
「化粧品と健康食品では考え方が根本的に違うことに当初は苦労させられた。健食は農学・薬学的考え方が必要だが、化粧品は化学的観点のみならず、『夢を売る商品』ということを常に念頭に置いて開発していかなければ、消費者の喜びや満足は得られないことがわかった」(高垣欣也専務取締役)
健食から化粧品へと応用した素材の1つに「フラバンジェノール」がある。
「フラバンジェノール」は、その高い抗酸化力から、多岐にわたる機能が確認されており、美容面では、コラーゲン生成促進やシミ・くすみを抑えるなど、様々な機能があることがわかっている。
健食と化粧品のODMを手掛けているため、健食で機能が確認されたり、好評だった素材を使った化粧品を求める声も高まっているといい、多角経営の一環として今後、素材や技術の相互利用を強化していくとしている。
同社ではグループに通販化粧品会社のフォーマルクラインを持っており、フラバンジェノールを配合したエイジングケア化粧品やサプリメントなどを開発・販売している。
これは、「BtoCを知らずして化粧品ODMを語れない」(高垣氏)という思いがあり、フォーマルクラインを通じて市場動向や消費者ニーズなどを把握・分析してよりODMの精度を高めるのに利用している。
従来は健食と化粧品の営業が兼務されている状態にあったが、今後、営業をそれぞれに専門特化させていく予定で、より深い提案ができるようになるという。
「営業担当者が1つの分野に集中することで、お客様に早くレスポンスできるようになる。今後は、化粧品の『夢を持たせる』という考え方や価値づくりを、健食の方にも活かしていきたい」(山田康博化粧品営業推進本部研究部マネージャー)
この記事は週刊粧業 2015年10月26日号 42ページ 掲載
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