天真堂、通販メーカーを包括的にサポートするOEMめざす

粧業日報 2016年9月12日号 3ページ

カンタンに言うと

天真堂、通販メーカーを包括的にサポートするOEMめざす


容器に革新的な技術を与える
「資材革命」、来春までに完了予定

 ワンストップサービスの提供ができるOEMを目指すため、同社は今後、システムだけでなく容器などの資材でも独自技術を開発するなどして差別化を図っていく。

 まず容器では、スキンケアで使用しているジャー容器に手鏡用のミラーを付け、カートリッジ式にしてエコ対応を強化する。カートリッジを縦28mmのサイズにすれば3cmのメール便に収まるためポストインが可能となり、定期購入ユーザーに商品を届けやすいという利点がある。

 これに着目した児玉社長は、「コンパクトハピネス便(CH便)」を開発し、11月から使用を開始する。

 宅配業者との共同事業で、ポストに投函したら業者がチェックを天真堂やクライアント企業に送り、配達が完了したか否かを確認できるようにする。

 これにより、いつ自宅に届けたかをユーザーに通知することができ、荷物の未達の防止につながる。「CH便」はA4サイズにしているが、毎月の定期便に同梱されるDMの文字や絵が、最も読みやすくなるのがA4サイズという同社の検証結果に基づくものだという。

 さらに容器にはもう1段階の仕掛けを用意している。AIやIoTを導入し、スマートフォンアプリと連動させてコミュニケーションが取れるようにしたり、中身の残量を会社で把握して、定期購入者には使い切りそうなタイミングで商品を送ったりと、購入後のフォローを可能にしているという。

 また、DMにバーコードを印刷し、それをスマートフォンで読みこむと映像が流れる技術を応用し、専用のメガネを使うと商品の開発ストーリーや使用法、原料の生産者のメッセージなどを見ることができるVR技術も開発中だ。

 現時点で児玉社長が描いている構想は、定期購入者の初回便に専用メガネを同封し、1回目の映像が見られるバーコードを提供後、回を追うごとに3D動画が組み立てられ、購入者はバーチャルの世界でゲームができるようになったり、購入者同士でコミュニケーションが取れるようになったりするというものだ。

 これらのサービスは来春までに全てスタートさせる予定で、今後のネット通販のプロモーションのあり方をすべて変えていく気概で取り組むとしている。

 「1回ごとに映像や動画を1つずつ追加していけば、商品だけでなくバーチャルの世界を完成させるという面からも次の便が届く楽しみができる。それを利用してチャット機能やクチコミ検索などをつければより深いコミュニケーションが取れる。当社が1つのメディアとなり、通販のプロモーションについて新しい手法を提案する」(児玉社長)

 現在、容器やメール便、プロモーション専用キットなどの「資材革命」に取り組んでおり、同事業が完了した後、同社では流通在庫を10分の1に縮小するなど「流通革命」に乗り出す意向だ。

 「化粧品だけでなく他の業界、ゆくゆくは世界市場にも挑みたいと考えている。まずは化粧品のOEM事業をさらに拡大させる。誰もがスマートフォンを操る時代だからこそ、コールセンターの重要性が増している。今後、当社でコールセンターを請け負うサービスも提供していきたい」(児玉社長)
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