天真堂、新経皮吸収システム「TEN-DDS」を開発

粧業日報 2017年12月1日号 4ページ

天真堂、新経皮吸収システム「TEN-DDS」を開発
 医薬部外品OEMメーカーの天真堂はこのほど、水溶性の有効成分を肌へ急速に浸透させる新たな経皮吸収システム「TEN-DDS(Tenshindo Direct Delivery System)」(特許出願中)を独自開発し、同システムを採用した育毛剤や美白化粧品OEMシリーズの商品化を進めている。

 水溶性の有効成分は、親油性の角層との親和性が低く透過しにくい。そのため、「有効成分の多くが肌の真皮まで届かず、無駄になってしまっている」(児玉和之社長)ことから、同社では従来の技術で浸透しにくかった水溶性の有効成分に油溶性を付与することで角層との親和性を高め、浸透しやすい新たな経皮吸収システム「TEN-DDS」を開発した。

 同システムの具体的なメカニズムとしては、水溶性の有効成分に「シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール(以下、ジカルボン酸)」「ポリグリセリン脂肪酸エステル」の2成分を組み合わせることで油溶性を付与し、角層との親和性を高めて有効成分が透過しやすい経皮吸収指数に調整する。

 協力機関で行った経皮吸収実験では、ヒト・表皮細胞を培養した角層を有する培養皮膚「3D培養皮膚モデル」を用いて、35℃の恒温条件下で0~24時間の間に透過したプラセボ・ジカルボン酸のみ・TEN-DDS採用の3つのローション(トラネキサム酸)の経皮吸収実験を行った。

 その結果、6時間が経過した時点でTEN-DDSを採用したローションはプラセボとジカルボン酸のみのローションよりも早く最大値(20mg/mL)の透過を確認した。

 「ローションだけでなく、エッセンスやクリームでも『TEN-DDS』を採用した処方は他の処方と比べ、肌へと急速に浸透する結果が得られている。OEMでは、このシステムを応用した製品の開発に着手しており、医薬部外品として既に承認済みの自社商品(ソヴールシリーズ)とは別に、今後はTEN-DDSを活用した新たなシリーズを展開していく」(児玉社長)
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