中川装身具工業では、デザインチェーンを使ったライトジュエリーの引き合いが急増している。
金相場の高騰を受けてジュエリー業界で金の価格が上昇し、上代価格を抑えるために細身のライトジュエリーが脚光を浴びることになった。この傾向に呼応する形で10Kが台頭し、同社でも18Kと同規模まで売上が拡大した。
「デザインチェーンは小売店様から多くの引き合いをいただいており、その新作を『IJT』(国際宝飾展)と『IJK』(神戸国際宝飾展)で披露してきた。これまではカット小豆という細身でベーシックなチェーンが主流だったが、ここ1~2年でデザインチェーンが注目されるようになり、当社はそのニーズにいち早く対応してきた」(山﨑浩史営業二部営業課課長)
デザインチェーンでは、チェーンのコマをつぶして平にした「ペタルチェーン」が人気だ。
「このタイプは見栄えがするので単体でもつけられる。ネックレスやブレスレット、トレンドのアメリカンピアスなどに使われている。小豆チェーンとデザインチェーンを組み合わせたものも人気だ」(山﨑氏)
デザインチェーンは全て筑波の自社工場で一貫製造し、10種類以上の型が揃う。40㎝が主流だが、最近は60~85㎝のロングタイプも人気が高まっている。百貨店やTVショッピングで展開中のブランドなどから多くの引き合いが寄せられる。
ペタルチェーンの1番人気は「K18サザンクロスチェーン」。チェーンの面をつぶして角度をつけることできらきらとした輝きをもたらし、光の陰影による華やかな輝きが楽しめる。つぶした面は金が薄くなるので価格を抑えられる。
「K18インフィニティチェーン」は8の字をモチーフにしたデザインで、きらきらとクロス状の輝きを放つ。ひし形のチェーン「K18スパークル」「K10YGスパークル」も立体的なデザインで動きのある輝きをもたらし、人気が高いという。
「今年も引き続き細めのカット小豆とデザインチェーンの需要が高まりそうだ。デザインチェーンはベーシックなデザインを揃えている。そうすることでOEMのお客様がアレンジを加えやすくなるからだ。デザインチェーンは加工サンプルとしての役割も果たしている。OEMの依頼はとても多く、ライトジュエリーの売上は右肩上がりで推移している」(山﨑氏)
ライトジュエリーの売れ筋は40㎝のチェーンに小さなペンダントトップがついたもの。石は1粒仕様のダイヤモンドが圧倒な人気で、これにパールが続く。OEMではシンプルなカット小豆とデザインチェーンとの組み合わせや、カット小豆との2連ネックレスなどに仕様を変更することができる。
留め金具は小さくてシンプルな5ミリの引輪が多く、それに対応するXSサイズのしゃもじ型や細長いスリムプレートをいくつか用意した。
「シンプルなデザインなので洋服を選ばず、リーズナブルな価格も魅力。デザインチェーン以外にも幅広くOEM対応もしているので、是非お声をかけてほしい」(山﨑氏)