グリセリンのトップメーカーとして知られる阪本薬品工業は、今回の「CITE Japan」で同社として過去最大となる6小間のブースを出展し、化粧品用の新規保湿剤「PGL‐S(ポリグリセリン‐3)」と、100%天然植物系の抗菌製剤を実現した「SYプランテックスKNP」を初披露する。
PGL‐Sは多価アルコールの保湿剤で、同じ多価アルコールのジグリセリンと比較して保湿効果が高く、さらに5~7%高配合してもベタつき感が少ないことが確認されているという。
「高保湿の化粧品を設計する際、多価アルコールを高配合するケースは多いが、配合量の増加と比例してベタつき感が増すことが大きな課題となっていた。PGL‐Sを配合した製剤の触感を実際に試していただけるよう、ブースではパネルだけでなく処方例サンプルも展示する」(同社)
SYプランテックスKNPは、チョウジエキス・カワラヨモギ花エキス・食品添加物グリセリン脂肪酸エステル(カプリル酸グリセリル)を主剤とした化粧品用抗菌製剤で、その他の配合原料は水と植物由来のブチレングリコール(BG)で構成されている。
「従来品のSYプランテックスKNは、鉱物由来のBGを採用していたが、植物由来のBGに代替することで100%天然植物系の抗菌製剤が実現した」(同社)
ブースでは新規2原料のほかにも、洗浄・乳化・可溶化・分散に必要な原料としてスキンケアからメークアップ、ヘアケアなど幅広いカテゴリーで活用されている「ポリグリセリン誘導体」をアピールする。
その中でも、COSMOS認証取得の天然系可溶化剤「高親水性ポリグリセリン脂肪酸エステル(Sフェイス10G‐IS/同10G‐L)」と、メーク用液状油剤「エチルヘキサン酸エステル(KEH‐1010)」、ポリグリセリン誘導体の無機微粒子粉体分散剤「二塩基酸エステル(SCIS‐101)」が近年、引き合いが着実に増えているという。
高親水性ポリグリセリン脂肪酸エステルは、スクワランをはじめ幅広い油溶性物質に対して可溶化性能を持ち、クレンジングに配合するとメークとの馴染みや水洗性が向上し、クレンジング後の残油感を少なくする。
エチルヘキサン酸エステルは低粘度の油剤で、口紅の処方設計においてスライド性を向上し、ミディアムからマットな光沢の軽いタッチの口紅に最適だという。
二塩基酸エステルは、油脂系油剤中において酸化チタンや酸化亜鉛の分散性に優れ、環状シリコーンとも相溶しやすく、サンケアやBBクリームなどUV防御をベースとした製品を中心に幅広い処方設計が可能だ。
「人体と環境にもやさしい安全性の高いグリセリンだが、グリセリン系の乳化剤や誘導体はベタつきなどネガティブな印象が多い。今展示会では、当社のグリセリンを配合した様々な処方サンプルをブース中央に配置し、優れた感触の製剤を試していただきたい」(同社)