一丸ファルコス、新規オーガニック原料の販売開始

週刊粧業 2019年6月10日号 4ページ

一丸ファルコス、新規オーガニック原料の販売開始
 化粧品・医薬部外品原料の研究開発メーカーである一丸ファルコス株式会社はこのほど、自然老化である肌老化の初期症状を指す最新キーワード「菲薄化(肌痩せ)」の改善をターゲットにした新規オーガニック化粧品原料「スプリングミント」(表示名称=セイヨウハッカエキス)を開発し、5月より販売を開始した。

 エイジングケア市場は拡大傾向にあるが、同社の調査では、中高年層の約7割が使用中のエイジングケア化粧品の実感性に不満を持っていることがわかった。

 効果実感を高めることでリピート率の向上が期待できるほか、耳馴染みのいい「肌痩せ」を販促などに活用することで他社製品との差別化を図ることができる。



 加齢にともなうシワやたるみ、ハリの低下などの肌老化症状は、真皮にあるコラーゲンなどのマトリックスの分解が原因となる。マトリックスが分解された真皮は薄くなり、肌も痩せ細って見える。このような自然老化による肌痩せ状態を「菲薄化(ひはくか)」という。最近の研究で菲薄化の根本原因は、表皮細胞が出す細胞外ATPが影響していることが分かってきた。

 ATPは、細胞内では細胞を活性化するエネルギーとなるが、細胞外へ放出されると刺激を伝達する因子となる。加齢した細胞では、細胞外へのATP放出量が増大する。その細胞外ATPにより刺激された加齢表皮細胞は、細胞老化関連因子を分泌するSASP(Senescence-Associated Secretory Phenotype)現象を誘導し、周りの細胞に影響を与える。

 SASP関連因子を受け取った真皮線維芽細胞はMMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)などの分解酵素を分泌して真皮マトリックスを破壊し、真皮の菲薄化を招く。

 有機ペパーミント由来の「スプリングミント」は、皮膚浅く(表皮)で分泌される肌老化の超初期因子・細胞外ATPを抑制し、真皮の菲薄化を効率的に抑制することが期待できる。

 評価試験では、加齢表皮細胞からの細胞外ATP産生抑制作用、細胞外ATPによるSASP誘導抑制作用が認められた。

 また、ヒトモニター(30~60代男女)による試験では、1%スプリングミント配合ローションを1日2回、4週間の塗布で、真皮の厚み改善(菲薄化改善、)と、肌弾力改善作用が確認された。

 以上から、「スプリングミント」は、初期肌老化の改善を実感できるオーガニック原料といえる。

 近年は20~30代の若い女性の間で若いうちからのエイジングケアに関心が高まっている。

 新製品はもとより、既存のエイジングケアシリーズにスプリングミントを配合することで、現ユーザーの使用満足度を高めるとともに、ターゲットを中高年層からファーストエイジングケア世代にまで広げることができる。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 一丸ファルコス、新規オーガニック原料の販売開始

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop