一丸ファルコス、トータル美白ケアの啓発へラインナップ拡充

C&T 2019年3月15日号 44ページ

一丸ファルコス、トータル美白ケアの啓発へラインナップ拡充
 化粧品・医薬部外品の原料開発メーカーである一丸ファルコスは、シミの種類や原因を突き止め、それぞれの発生メカニズムに着目した機能性原料を開発している。

 それら開発原料を組み合わせることで多角的な美白アプローチを実現し、トータル的な美白ケアの提案も可能となる。最近の研究では、乾燥・敏感肌用原料として提案してきた「クロノシャルディ」や「ファルコレックス」シリーズの機能性原料において、新たに美白効果を確認している。

 「クロノシャルディ」(ブドウ果実エキス)は、「時間美容(時計遺伝子)」に着目した保湿・敏感肌用化粧品原料として2017年より展開している。肌は、睡眠不足や精神的なストレスにより遺伝子の肌リズムが減弱するとターンオーバーが乱れ、乾燥や肌荒れといった肌トラブルを引き起こしてしまう。クロノシャルディは、その肌リズムを強化することでターンオーバーを正常化し、肌の不調を改善する効果が確認されている。

 肌リズムが減弱すると、チロシナーゼなどメラニン合成酵素を増やし、色素沈着を引き起こすことが報告されている。同社では細胞試験にて、クロノシャルディにアルブチンと同等のメラニン産生抑制効果を確認した(図)。また、ヒトモニター試験にてクロノシャルディ塗布2週間後に美白効果を確認している。さらに、クロノシャルディ塗布2~4週間で、肌の滑らかさを改善する作用、シワを改善する作用も認められている。

 以上からクロノシャルディは、肌にうるおいを与えなめらかな美白肌が期待できる原料と言える。



 「ファルコレックス」シリーズでは、「ファルコレックス メリッサB」と「ファルコレックス キウイB」(キウイエキス)に従来とは異なる美白アプローチを見出している。

 同社は静岡県立大学との共同研究で、従来のシミ経路とは異なる経路を発見し、自社開発原料である「ファルコレックス メリッサB」にその新経路をターゲットする美白効果を確認した。

 新美白ターゲットは、シミの原因となるメラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)を構成するペプチド鎖がさらに短くなった生理活性ペプチド鎖「α-MSH(1-8)」。

 表皮細胞で産生された前駆物質POMC(プロオピオメラノコルチン)は、紫外線などのストレスを受けると、細胞内でACTHやα-MSHに代謝されるか、細胞外へ分泌され、そのままの形で炎症メディエーターとして機能していると考えられていた。

 しかしながら、同大学との共同研究で、細胞外でPOMCが代謝され、α-MSHより低分子の新しいメラニン産生誘導因子α-MSH(1-8)(同社にてShort-MSHと呼称)として機能することを突き止めた。

 ファルコレックス メリッサBにはそのShort-MSHの産生を抑制する作用があることが認められた(図)



 また、ヒトモニター評価試験では、1%ファルコレックス メリッサB配合ローションが、塗布4週間後にメラニンインデックス(肌黒色度)を有意に低下することが確認された。このShort-MSHに関する研究について、両者は世界で初めて論文としてまとめ、発表している(SCIENTIFIC REPORTS September 2015)。

 「ファルコレックス キウイB」は、肌深部に蓄積・滞留するメラニンの分裂を促進してシミを防ぐ作用が確認され、「深層美白ケア」原料として紹介を進めている。

 肌は、紫外線や炎症などにより過剰なメラニンが産生されると、基底細胞がメラニンを取り込んでしまう。基底細胞はメラニンを取り込むと分裂能力が低下してしまい、メラニンが長期にわたり肌深部に蓄積・滞留し、シミの原因になってしまう。ファルコレックス キウイBは、メラニンを取り込んで分裂能力が低下してしまった表皮基底細胞の分裂を促進する効果が確認され、シミ形成を防ぐ効果が期待される。(図)

 キウイエキス以外にも、直近の研究で「ファルコレックス ゴボウB」と「タイソウリキッドB」にもメラニン含有ケラチノサイトの分裂促進効果があることを確認している。

 近年は中国・アジアを中心に日本製化粧品の人気が高まり、化粧品原料においても品質の高い日本製の需要が拡大している。その中国・アジア市場で高まる美白ニーズに対し、作用機序の異なる美白原料の紹介を進めていく考えだ。
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