東洋ビューティ、独自性を担保に連携・関係構築

週刊粧業 2019年7月1日号 26ページ

東洋ビューティ、独自性を担保に連携・関係構築
 化粧品・医薬部外品OEM/ODM大手の東洋ビューティは、2003年より基盤研究を本格的にスタートし、品質(安定性)から安全性・機能性(有用性)まで製品評価を行え、総合的な製品開発を行なえる体制が整う。

 独自の研究開発に加え、外部機関との連携やブランドメーカーとの共同研究などにも取り組む。17年にはヒト臨床試験やモニター調査を行うセブンオーワンリサーチ社を子会社化し、顧客の製品企画のターゲット層に適した製品開発の精度を高めてODM化を推進している。

 中央研究所の久間將義所長は、「開発も生産も独自技術にこだわり、ノウハウを積み上げてきた中で、原点回帰的に生活者の肌状態を見つめ直すことを目的とした研究にも力を注いでいる」と話す。

 具体的には、共焦点レーザー顕微鏡を使用し、肌の内部構造を細胞レベルで調べ、肌の老化メカニズムや紫外線など環境ストレスなども肌の表面(外部)だけでなく、内部の変化を調べ、新たな知見を得ている。

 その成果事例として、シニア女性向け生活情報誌を発行するハルメク社との共同研究がある。これまで研究発表や論文が少なかった「シニア世代の肌老化」に着目して研究を進め、IFSCC18年大会でその研究成果を発表し、同内容でASCS&IPCE19年大会で招待講演を行った。

 各世代向け商品のターゲットは幅広く設定されているのに対して、シニア層向け商品の多くは大きな世代として一括りにされている。

 そこで同社は、「60歳以上も肌状態の変化が生じている」という仮説を立て、シニア層での年代毎に肌研究を進めた。

 肌の明度や赤みでは、各世代に顕著な変化は見られなかったが、黄ぐすみに関して、60代に比べ、70・80代の肌でより目立つことを発見した。

 久間氏は、「シニア世代は年齢を重ねると、屋外での活動が減少する傾向が見られ、そうしたライフスタイルの変化が肌状態の違いに影響している」と見解を示した。70代以上の肌にはシミケアより、くすみケア化粧品が有効であるなど「高齢化がさらに進行していく中で、シニア世代にも肌状態の変化に合わせたスキンケアニーズは高まってくるはずだ」と期待を込める。
ホーム > 化粧品業界人必読!週刊粧業オンライン > 東洋ビューティ、独自性を担保に連携・関係構築

ライブラリ・無料
ダウンロードコーナー

刊行物紹介

定期購読はこちら
お仕事紹介ナビ

アクセスランキング

  • 日間
  • 週間
  • 月間
PDF版 ダウンロード販売
化粧品マーケティング情報
調査レポート
株式会社矢野経済研究所
pagetop