ポーラ、ストレスで突然起きる肌の不調のメカニズム解明が前進

粧業日報 2020年7月30日号 5ページ

カンタンに言うと

  • ストレスホルモンが皮膚細胞に働きかけ神経を刺激する因子が増加
ポーラ、ストレスで突然起きる肌の不調のメカニズム解明が前進
 ポーラ化成工業は、コルチゾールが線維芽細胞に作用し、神経を刺激する成分の産生を促していることを新たに発見した。ストレスを感じたときに肌の赤みやごわつきが起こりやすいのはこのためだと推察できるという。

 同社ではこれまでにも、コルチゾールが表皮細胞のうるおい成分を減少させてしまうことを突き止めており、これらの知見を活用することでストレスを感じがちな現代人の肌を健やかに導くことができると期待される。

 心身にストレスを受けると血液中のコルチゾールが一時的に増加し、特に秋冬は夏に比べて増えることも知られている。そこで今回、このコルチゾールが、ストレスがかかったときの肌の乾燥だけでなく、赤みやごわつきにも直接的に影響するのではないかと考えた。

 コルチゾールは、線維芽細胞の細胞骨格を乱すことがわかっており、実際にコルチゾールを線維芽細胞に添加し培養すると、通常は細胞内に均一に存在している細胞骨格が太く繊維質になり、細胞内での分布も不均一になることが観察された。

 細胞骨格が乱れると、細胞内での物質の輸送や情報伝達が不調を来たすことや、細胞の基本的な機能が低下することが知られている。そこで、コルチゾールで細胞骨格が乱れたときに、線維芽細胞の中で肌の赤みやごわつきにつながる影響が生じていないか調べた。

 細胞骨格に乱れが生じる濃度のコルチゾールを線維芽細胞に添加し培養したところ、神経細胞を刺激する因子の発現が増えることを発見した。つまり、コルチゾールにより細胞骨格が乱れた線維芽細胞が神経を刺激することで、肌が急に赤くなったりごわついたりしやすくなると考えられた。

 コルチゾールによる細胞骨格の乱れを修復する成分を探索した結果、スイートアーモンドオイルにその効果があることを発見した。このことから、スイートアーモンドオイルを配合した化粧品を使用することで、ストレスを感じたときに起こりやすい肌の赤み、ごわつきが解消することが期待される。
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