容器とOEMに精通した化粧品コンシェルジュとして業容を着実に拡大してきたケイズでは、今春から新卒採用をスタートした。
同社では中途採用も含めるとこの1年間で社員数が20人以上増加しており、次の成長ステージに向けて人材投資を増やし、筋肉質の組織づくりを進めている。
今期(2021年3月期)注力している取り組みや中期計画に基づく今後のビジョンについて、統括本部統括本部長の千代剛彦氏に話を伺った。
――今上期の受注状況と、現在注力している取り組みについてお聞かせください。
千代 4~6月の第1四半期は前年同期比で1割減となったが、その後7月から若干盛り返しており、4~9月の上期は前年同期比5%減で推移するものと見込んでいる。
その要因として、当社では国内の通販チャネルを中心に展開している取引先が多く、インバウンド需要の消失による影響が比較的少なかった。
また、アルコール消毒液の生産に一早く対応したこともあり、コロナ禍でも健闘したといえるだろう。
また、幸いにして直近の2~3年で電子カタログなどデジタルツールへの投資を積極的に行っていたほか、「製品設計課」を昨年新設し、容器・OEMの両面で製品情報や技術のデータベース化も進めてきた。
多くの取引先でテレワークが浸透し、営業のデジタル化が加速する中で、こうしたデジタルツールの活用が大きな強みとなっている。
――中期計画に基づく今後のビジョンをお聞かせください。
千代 今年1月に統括本部長に就任してまず初めに取り組んだことは、5~10年後を見据えた中期計画の策定だった。
今期を初年度とする最初の5年間は、「筋肉質な体制の構築」をテーマに、現有設備の生産効率化を進め、5年後に生産キャパシティの数値拡大を目指す。
それから先の5年間は新たな設備投資や生産拠点、営業体制の整備に向けた「大型投資」を主軸とし、この2段階を踏まえて次の成長ステージへと進んでいきたい。
今年1年間の位置づけとして、大規模な設備投資は控えるが、その反面、人材への投資を積極化し、筋肉質な体制の構築を進めていき、生産キャパシティがどれほどまで向上できるか検証していきたい。
人材への投資は製造現場のみならず、営業や財務、研究開発といった基幹業務部門を中心に幅広く実施し、化粧品コンシェルジュとして様々なお客様のニーズに対応できるよう努めていく。
商品開発に関しては、当社がこれまで長年にわたって開発を進めてきた「セラミド」の画期的な新原料や新処方を採用した製品をはじめ、衛生用品などでも付加価値の高い製品の提供を目指す。