化粧品容器の卸販売や化粧品の研究開発・製造を手がけるケイズでは、独自に処方開発した製品をベースとする「提案型営業」へのシフトを進めている。上期の受注状況などについて、千代剛彦統括本部長に話を伺った。
――上期の受注状況をお聞かせください。
千代 フレグランスが引き続き好調に推移しており、最近では香りがメンタルや身体に及ぼす影響の研究が進んでいることもあって、単に香りを楽しむだけでなく、脳にまで働きかける機能性を持ったフレグランスの依頼が続いている。
また、ここにきてヘアケアの受注が伸びており、シャンプーやトリートメント以外に、オイルやバームなどアウトバスの引き合いも増えている。
――コロナ禍で見られた市場変化に対して、貴社ではどのような取り組みを進めていますか。
千代 これまでどちらかといえば、依頼が来たものに対応していくスタンスだったが、今後は当社が独自に処方開発した製品をベースとする提案型営業にシフトしていく。
今夏には「ナイアシンアミド×セラミド×ナノ化」を実現した医薬部外品の承認が下り、シワ改善だけでなく保湿と浸透という付加価値のあるスキンケア製品を今後、本格的に提案していくところだ。医薬部外品ではこのほか、育毛剤と日やけ止めでも独自処方による新たな製品の開発が進んでいる。
さらに、当社が保有する植物生体水抽出設備を活かし、出荷基準に満たない規格外農産物のエキスを配合したスキンケアやフレグランスなど、こうした製品を営業の武器として積極的に活用していきたい。
――アフターコロナを見据えた成長戦略についてお聞かせください。
千代 全国にお客様が広がり、そうした中で実験的な試みとして、拠点のない中四国エリアではテレワークを中心とした営業活動が既にスタートし、徐々に成果が出てきている。
今後は拠点を持つ東京・大阪・金沢の営業担当も含め、それぞれの役割分担をしっかりと明確にし、営業の組織・環境・機能の強化を図っていきたい。
この記事は週刊粧業 2022年8月22日号 7ページ 掲載
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