2011年 化粧品日用品卸業界(日雑卸業界)展望

週刊粧業 2011年2月14日号 1ページ

カンタンに言うと

2011年 化粧品日用品卸業界(日雑卸業界)展望

持続的な成長を図る上で分岐点となる1年、

適正価格での販売モデル構築が焦点に


 2010年の日雑卸業界は、小売業の過当競争を背景とした販売価格低下の圧力により、「乱売」と称される事態を招いてしまい、営業努力により何とか前年を上回る売上げを確保しても、収益が大幅に低下することを余儀なくされた。

 2011年以降もこのような状況が続くと、かつて「乱売」による過度な競争により一般化粧品で隆盛を誇った企業が消滅してしまったように、一般化粧品メーカーにとっても不幸な結末を招いてしまいかねないことから、力を増す小売業の圧力にも屈することなく、「いい製品をつくっているのだから、この価格は譲れない」という信念をもって、「適正価格での販売による適正利潤の確保」に向け、メーカー、卸とも取り組んでいくことが望まれる。

 裏を返せば、2011年は、適正価格での販売を構築することができるかどうかが大きな鍵を握りそうだ。それが実現できれば、過度な価格競争により手薄になった「人材育成」も進み、将来展望も開けてくる。まさに、2011年は、日雑卸の今後を占ううえで重要な1年と言えるのではないか。

 

収益性を度外視した過度な競争は

メーカー、卸双方にとって不幸な結果に


 400社弱の地域卸で構成する全国化粧品日用品卸連合会(全卸連)の森友徳兵衛会長(森友通商社長)は、自身の事業ポジションに昨今の環境を照らし、「我々は先代たちから、日雑卸という商売について『ものすごい利益は出ないが不況に強い産業』と教え込まれ、欲を出さずに本業回帰でやっていけば食べるに困らないと認識してきた。それが今、堅実にやっている事業者でもつぶれる時代になった」と語る。

 このような状況下でも、「こんな良い商売はない」と前向きな地域卸業者も存在する。そうした企業をみると、ちょっとした仕組みの工夫や知恵を加えて苦境をしのいでいるほか、「何より志が高い」(同会長)という。

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