ビューティビジネス学会、全国大会皮切りに学問と実業の結びつき強める

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ビューティビジネス学会、全国大会皮切りに学問と実業の結びつき強める

 ビューティビジネス業界の発展に寄与するため、昨年11月に設立したビューティビジネス学会(JABB)は、7月11日に第1回全国大会を開催する。「ビューティビジネス―『美』のイメージが市場をつくる」の著者であるジェフリー・ジョーンズハーバードビジネススクール教授による基調講演や自由論題などが予定されており、学会本格スタートの狼煙を上げる大会として関係者からの期待も高い。大会および今後の学会とビューティ産業との関わり方について、学会会長の江夏健一ハリウッド大学院大学学長と事務局の今井利絵教授に話を聞いた。

 ――大会の内容について教えてください。

 江夏 大会の目玉企画に位置づけているジョーンズ氏の基調講演では「ビューティ産業で成功する!―過去の偉大な起業家から学ぶ教訓―」をテーマに、著書の中に登場するココ・シャネルやヘレナ・ルビンスタインなどの著名ブランドに成長した起業家がどのように世に輩出され、発展したのかを解説する予定だ。自由論題は、13~14人ほどの大学教授や院生、事業者らがビューティビジネスに関連したテーマについて研究発表する。ワークショップでは経営診断なども予定している。

 今井 例えば私の場合、グローバルにチェーン展開しているヘアサロンに注目して「成長戦略と競争優位」をテーマに発表する。サロン経営について海外市場まで広げ、学問的に比較検討した研究はなく、新たな問題提起ができる。

 江夏 大会前に学会誌「ビューティビジネスレビュー」を創刊した。学会が目指す「産学社協同」の遂行のため、ビジネスと学問と世論の三者合同による発刊とした。今後広告掲載なども考え、定期的に発行したい。

 ――ビューティビジネスの課題は何でしょう。

 今井 第一に生産性の低さがある。ヘアサロンの場合、日本は技術志向で、技術が高いがゆえにサロン成長の障壁になっている。現在のサロンでは、技術は個人の努力の結果。そこを企業が、ある程度一定の技術を一定期間で皆が持てる教育システムを設けることが、業界発展には望ましい。実際、その仕組みを持っているサロンが成長している。

 ――学会とビューティ産業との関わりあいについて今後の目標は。

 江夏 事業者は学問を理想論と見て、実業とは関係ないと考える方が多い。その仕切りを壊していくことが課題だ。
 例えばサロン経営に関して、ビジネスの視点からは気づかなかった問題や疑問を経営学やマーケティング論といった学問の分野から投げかけ、解決策を講じることで、新しい切り口を提案する。

 ビューティビジネスが学問として成り立ち、多くの大学や大学院でビューティマネジメントに特化した学部や学科が誕生し、多くの学者が輩出されればなお良い。業界と実業の結びつきを強め、学者と経営者を育て、ビューティ産業成長の礎にしたい。学会は、本大会を皮切りに、個人・法人会員数を現在の200名から500名以上に増やし、認知を広げる。

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