30位圏外へのシェア流出に歯止め、合計伸長率0.2%増に
週刊粧業がまとめた2011年度化粧品メーカー売上高上位30社ランキングをみると、30社の合計伸長率は、市場全体が3.6%減(当社推計)で推移する中、0.2%増となった。ここ数年続いてきた30位圏外へのシェア流出に歯止めが掛かったとはいえ、依然として厳しい状況に変わりはないというのが現状のようだ。
2011年度の化粧品市場は、リーマンショックの傷が癒えない中、3月に東日本大震災が発生し、通販を含め全ての販売チャネルで前年割れを余儀なくされた。こうした状況下、上位30社中増収を果たした企業は16社と過半数を超え善戦した。30社の合計伸長率も0.2%増と前年を若干上回っている。
増収した企業は、制度品メーカー4社、訪販メーカー2社、一般品メーカー5社、通販メーカー3社、その他が2社となっており、万遍なく各業態に好調企業が存在していることがわかる。
かつては、業態別で好不調を論じることも可能だったが、そうした視点で捉えることがますます困難になってきている。裏を返せば、それだけ市場が複雑化・多様化しているのだろう。
花王グループ(カネボウ化粧品を含む)は、セルフ化粧品で新製品を発売し、カウンセリング化粧品でも改良や新ライン追加を行った結果、売上げが改善に向かっている。
コーセーは、中価格帯や低価格帯で苦戦を強いられたものの、構成比の高い高価格帯(カウンセリング化粧品)が好調で、単体では増収となった。
ポーラやメナードは、従来型訪販からサロン展開へと戦略的に転換を進め、組織の活性化を図りながら新たな成長領域を確保しており、トータルで前年実績を上回る術を身に付けつつある。
一般品メーカーでは、低価格化の波を成長の原動力にして依然好調をキープしているロート製薬や、フェイシャル&ボディペーパーの増産で節電需要を確実に取り込んだマンダムなど、事業領域を敢えて絞り込み、自らの強みを最大限に発揮する体制を構築してきた企業に好調を維持するケースが多い。
通販メーカーも一般品メーカーと同様な傾向を示しており、スキンケアやベースメーク、ポイントメークを全てラインナップしているメーカーよりも、オールインワンジェルやアクネケアなど、絞り込まれた事業領域で圧倒的な力を持ったブランドを有するメーカーが好調を維持している。
【PDFダウンロード】「化粧品メーカー売上高ランキング」はこちら
※PDFには、過去3年間の売上高、前年比のデータが収載されております。
この記事は週刊粧業 掲載
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