――中身製造と容器商社の経営統合から1年間が経過しました。
角嶋一幸社長(以下、角嶋) いまもって受託製造と容器商社が一体化したことを「このあり方は正しいですか」とお取引先へ問う時期であり、表へドンとアナウンスするには至っていない。
手探りで一件ごとに、お客様の反響を丁寧に聞いていくことが大切だと思っている。
ただ、(統合から)1年間が経って少しずつ答えが見えてきたような感触もある。OEMの受託量が着実に増加しているほか、「注文書が1枚で済むことは便利」といった声が聞こえ始めている。
――統合以降、中身づくりで運営基盤を強化した部分はありますか。
角嶋 開発部隊が充実した。特に品質管理に係わる布陣を強化し、チャレンジテスト(抗菌試験)などを内省化している。検査で得たヒントが開発へ活きていく要素もあり、この工場の規模でいったら十分な人材がそろった。
先行投資を通じ、受注量が増大しても当面でやりきれる体制が整った。
また、設備面では2台あるチューブ充填機の刷新を検討しているほか、2~3種類の機械についても新たな導入を考えている。
――容器事業の蓄積がOEMに活きている事例がありますか。
角嶋 斬新なデザインの海外容器は、ユニークさが諸刃の刃となって充填がしにくい場合がある。ところが、もともと容器に精通した当社は困難な充填作業に対応できる。
また、先の展示会で好評を博した2剤用エアレス容器を推奨する際、ボトルと中身の両面から偏りのない視点でお客様へ提案ができる。
OEMと中身の会社を一本化することを冷や冷やと見守ってくださったお取引先がある。今後、引っ張っていただいた恩に報いなければならない。
【容器カタログ】「ケイズ」(韓国製容器)はこちら
この記事は週刊粧業 2012年9月3日号 9ページ 掲載
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