化粧品のブランド戦略、女子会・座談会・ランチ会など多様化傾向へ

カンタンに言うと

化粧品のブランド戦略、女子会・座談会・ランチ会など多様化傾向へ

リアルなコミュニケーションを活かしたブランド戦略
~商品開発や、Webとの連動で話題喚起・情報拡散に~

 今思えば、「共感の時代を迎え……」といったくだりが耳に馴染んできた頃、「女子会(ジョシカイ)」が流行りはじめたのは当然の流れだったと断定することができる。ブログやクチコミなど消費者が発信する情報の影響力が強まり、SNSの普及率拡大がその流れを加速化させた。

 共感性を生む情報であれば、広告や宣伝に頼らず、拡散が期待できる。近年、他の業界に漏れず、化粧品業界もそのネットワークを商品・サービスのマーケティングやブランディングに活用する事例が増えている。そして、その「共感」の発信源として、リアルなコミュニケーション活動に注目が集まっており、テーマや商品・サービス、参加者層などに合わせ、形態も女子会、座談会、ランチ会など多様化してきている。

 消費者とのリアルなコミュニケーション活動の取り組みは、商品やサービスに共感しあう女性たちの生の声を集め、精査し、商品開発に活かすマーケティング目的と、その様子をニュースとして発信し、話題性を喚起するブランディング目的の大きく2つに分けられる。

 今回は、マンダム、サンナチュラルズ、イシュア、DIKのメーカー4社の取り組みと、リアルなコミュニケーションの場をコーディネートし、マーケティング支援を行うラビッツ・コーコとオフィスリエアの2社のサービスを紹介する。

 今回、イシュア主催の座談会を直接取材する機会を得ることができたので、以下に紹介する。

 同社は洗顔アイテムに関する座談会を7月に開催した。参加者(モニター)にはあらかじめ、一定期間、推奨する洗顔法での使用を促し、同社はある程度、その使用評価の見通しを立てていたが、会後、「想定外のコメントをたくさん聞くことができた」(同社)とブランド担当者は満足気に振り返った。

 事実、ポジティブな意見ばかりでなく、改善してもらいたい点や気になった点などネガティブな感想が参加者からこぼれた。さらに、会では話題が洗顔と同じブランドから展開しているスキンケアシリーズへと発展し、その場にあったテスターを手に取り、能動的に意見を交換し合う光景が見られた。

 あくまで1社の事例だが、座談会をはじめとするリアルなコミュニケーション活動には、「(メーカー/消費者と)ブランドを共有する」感覚が得られると同時に、「(双方に)新たな気づきをもたらす」作用が見られた。その作用はテーマや方法次第で多様化し、幾層にも積み重ねることができると考えられる。関心はあるが、まだ……という企業には「習うより慣れろ」の発想で、まずは実際に行ってみて、その価値を感じてもらいたい。

消費者の声を活かしたブランド戦略・記事掲載企業】
◎マンダム~「ルシードエル」の新ヘアワックスシリーズ、ユーザーの声取り入れた容器デザインが好評
◎サンナチュラルズ~ワークショップなどユーザー参加型企画を盛り込み、ホホバライフを共有
◎イシュア~ブランドコンセプト・キー成分の斬新性に、ユーザーヴォイスを反映
◎ディアイケイ(DIK)~美容セミナー内に座談タイムを設け、ユーザーとの関係を深耕
◎ラビッツ・コーコ~フリー回答の解析からアイデア抽出、中小企業向けのマーケティング支援を推進
◎オフィスリエア~話題の「女子会」をメディア化し、企業プロモーションをバックアップ

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