日光ケミカルズは9月27日、新原料の展示と各種技術セミナーで構成する新商品発表会を都内で開催し、販売メーカーや受託製造会社の関係者ら約350人が自社の商品開発に活かそうと関心を注いだ。
藤巻篤幸・第一営業部長によると、今回展示した新商品は「研究サイドからあがってきた原料の中で、お客様のニーズに合ったものを集結させた」という内容で、現代のトレンドに沿った提案を重視したという。
「乾燥による小ジワを目立たなくする」という新たな効能表現に有効とされる原料として、様々な製剤に安定的に配合できる「NIKKOL ニコソーム SML」や即効性のある保湿剤「AquaSpeed」を披露したほか、サトウキビ由来の「NIKKOL シュガースクワラン」や高い抱水力が特徴の油性成分「同 GS-WHO」など再生可能な植物由来原料への取り組みもアピールした。
さらに、クレンジング剤の「同 NIKKOMIX CW」、パラベンの代替となるエステル油「同 ニコガード6」、毛髪の紫外線対策に効果的な「同 ニコファインUV」なども展示した。
会場にはこうした新原料を中心にテーマ別に6つのブースを設置し、今回初めて試したというディスプレイを用いて各原料の特徴や有効性試験の結果などを発信した。
また、この日は展示ブース以外にも、技術力に特化したセミナーを同時並行で実施した。最大の目玉は、グループ会社のコスモステクニカルセンターで研究戦略室長を務める鈴木敏幸氏による特別講演だった。鈴木氏は、「ユニークな化粧品開発のための処方技術と界面活性剤の応用技術」と題した講演の中で、乳化・可溶化における界面活性剤の使用方法や、その妥当性を確認するのに欠かせない相図の読み方などを専門的に解説した。
このほか、グループ会社のニコダームリサーチが行う安全性や有効性の受託試験に関する内容など、計7つのテーマで簡易なセミナーも実施した。
来場者が新商品やセミナーに耳目を傾ける様子を見守っていた藤巻氏は、「盛況だ。大変興味を持っていただけている。サンプル要求も多い」と手応えを口にしていた。
一方、来場者に向けた代表挨拶の際に姿を現した関根茂社長は、「原点に立ち返り、新製品・新技術の開発に力を入れていかなければいけない」と意気込みを披露。その一方で、デフレ下で市場が伸びず、競争が激化する現状にも言及し、CTFA(通称=米国化粧品工業会)によって作成される「INCI名」(化粧品成分の国際的表示名称)の登録数が「原料だけで1万9000も載っている。数年前から1400ほど増えた」ことを例に挙げ、「原料開発が大変な競争になってきている」との見解を示した。
さらに、安全性やヨーロッパをはじめとする新たな規制の問題などクリアすべきハードルは少なくない。それでも、「一番大事なのは、市場の声をどれだけ吸い込んでいけるかということだ。それを繰り返すことでより優れた商品開発ができるようになり、業界の発展にもつながっていく」と力を込めた。
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この記事は週刊粧業 2012年10月15日号 5ページ 掲載
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