2012年スタイリング剤市場、使用機会の減少で男女ともに縮小傾向

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カンタンに言うと

2012年スタイリング剤市場、使用機会の減少で男女ともに縮小傾向

 スタイリング剤市場は、男女ともに縮小傾向が続いている。男性では、ミストタイプの「ウーノ フォグバー」(資生堂)のヒットで一時的に活性化したが、今では勢いが沈静化している。一方の女性は、スタイリングの機会が減少し、対照的にアウトバストリートメントの使用率が高まっている。

男性は2ケタ近く縮小も
「ギャツビー」ワックスはプラスに

 男性スタイリング剤でトップシェアをもつマンダムの調査によると、2011年度の男性スタイリング剤市場は前年度比で10%近く縮小した。ここ数年も減少傾向にあったが、縮小幅が拡大したかたちだ。

 対象人口の減少によりスタイリングの機会そのものが少なくなっているとの指摘がある。また、ターゲットの高齢化が進み、スタイリング剤を使わなくなるケースが増えているようだ。

 若年層の間でも、「必要以上に作り込まない、さりげない感じ」(メーカー関係者)が流行っており、そうしたトレンドの変化も影響しているものとみられる。

 「フォグバー」が発売されたのは2009年だった。ワックスが主流だった当時、新たな提案が若者の支持を集め、この年は市場が活性化された。

 「ギャツビー」(マンダム)もそれ以降、ミストタイプやローションタイプの商材を次々と投入したが、どちらも市場を拡大させるほどのインパクトは与えられなかった。

 それ以降は、ワックスに回帰する現象が顕在化している。「ギャツビー」の主力シリーズである「ムービングラバー」は2010、2011年度と2年連続で前年実績を上回る販売を記録した。

 マンダムの調査では、2012年4~9月における男性スタイリング剤市場のブランド別シェアで、「ギャツビー」が39.0%(前年同期比2.4ポイント増)と伸ばしていることがわかった。「ウーノ」はシェアを低下させており、この調査結果からも“ワックス回帰”の傾向を読み取ることができる。

 2011年度の市場動向をみると、剤型別売上構成比のトップ3(ワックス、スプレー、ジェル)は前年に対して微減、あるいは横ばいでとどまっているのに対し、ミストタイプは大幅な減少を余儀なくされた模様だ。

 ワックスへの支持が安定しているのは、「仕上がり別にアイテムが揃っていることが、若者を中心に今のスタイリングに合っているから」(メーカー関係者)だと分析する声がある。

 「ギャツビー」は引き続き、ワックスを中心アイテムに据えながら関連商品を拡充していく方針だ。2012年秋には、男性用では初というアウトバストリートメントを発売し、新たな需要の掘り起こしをねらっている。一方、「ウーノ」の「フォグバー」は、企画品の限定発売や使用体験を促すイベント、さらにはソーシャルメディアを積極活用するなど、愛用者の拡大に取り組んでいる。

【女性用スタイリング剤】
“ナチュラル”“ダメージケア”志向で
トリートメント商材の動きが活発に

【メーカー別動向】
◎マンダム~「ギャツビー」は「ムービングラバー」が好調、アウトバストリートメント投入で需要掘り起こし
◎資生堂~「フォグバー」企画品を相次いで投入、男性雑誌と組んで体験イベントも開催
◎サンスター~「VO5」でアーティストとコラボ、若年女性への認知拡大を図る

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