化粧品小売業のキーマンに聞く、化粧品トレンドと最新の取り組み

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化粧品小売業のキーマンに聞く、化粧品トレンドと最新の取り組み

 新ブランド・製品は増え続け、消費者の価値観も多様化する中、時代に合った販売スタイルの確立に向けて小売各社は試行錯誤を繰り返している。各業態のキーマンは消費者のトレンドをどう分析しているのか。本特集では最新の取り組みとともにまとめた。

◎ドラッグストア

 近年は、ノンシリコンヘアケア商材の台頭が目立つ。より安価な「レヴール」の発売後、その勢いはさらに加速した印象だ。今回登場するマツモトキヨシをはじめ、オリジナルのPBブランドを開発し、堅調な売り上げにつなげているケースもあるようだ。

 また、「時短」「簡便性」というニーズの高まりを受け、オールインワンゲルやBBクリームも話題を集めている。

 ただ、ノンシリコンヘアケア商材は、今年に入ってから「発売当初のインパクトがなく、少し踊り場にきている」(桒原正幸コクミン執行役員商品部長)との指摘もある。

 一方、安全・安心志向の高まりを受け、ナチュラルコスメを拡充する流れはさらに加速しそうだ。

 接客面では、化粧品の専属スタッフを育成し、カウンセリング販売を強化する傾向が強い。

◎百貨店

 ここにきて、各社各店の独自の取り組みが成果となって現れるケースが見受けられる。

 西武池袋本店は、オーガニックコスメの集積コーナーを設けているが、スキンケア商材を中心に毎年実績がアップしているという。

 高島屋も、オンラインショップの顧客を店舗に誘導する仕掛けを積極的に実施し、新客を取り込みながら全体の底上げを狙う。

 通販の台頭に加え、前述したようにドラッグストア各社がカウンセリングに力を入れる中、百貨店ならではの価値をどう提供するかが大きな課題となっている。

 また、専門性を活かした接客カウンセリングの強化は、根本的であり、新しい問題でもある。

 さらに、限定アイテムの開発など、商品面でも独自性を打ち出す必要がある。

◎TVショッピング

 昨年を振り返り、大手2社が好調なカテゴリーに挙げたのは、韓国コスメとノンシリコンヘアケアだった。
 韓国コスメは「商品を選ぶ楽しさ」(QVCジャパン)、ノンシリコンヘアケアは市場全体のトレンドも追い風になったとしている。

 今後の伸びが期待できそうな商材では、ともに話題性のある幹細胞コスメと、紫外線防御の新基準「PA++++」が挙がった。

◎その他

 百貨店にとっては最新の武器であり、ドラッグストアも強化中のカウンセリングとは対照的ではあるものの、オンラインショップも重要な販売チャネルとして地位を確立したといえる。

 クチコミサイト「アットコスメ」の姉妹サイトで、オンラインショップ「コスメ・コム」もその1つだ。今回は関連会社が運営するリアル店舗「アットコスメストア」を取材対象としたが、今年はグループの特性を活かしてWebと店舗の融合に本腰を入れる構えで、新たなサービスを順次展開していく予定だ。

【記事掲載小売業各社】

◎マツモトキヨシ(商品部 化粧品課リーダー 早川龍二氏)~ヘアケアとセルフスキンケアが売上牽引、カウンセリング強化で顧客ニーズに対応

◎コクミン(執行役員商品部長 桒原正幸氏)~カウンセリングによる情報提供を強化、心斎橋に業界初の新スタイルを導入

◎西武池袋本店(婦人雑貨部企画担当 吉田昇氏)~「施術系」「オーガニックコスメ」が伸長カウンセリング強化し、顧客満足を追求

◎高島屋(MD本部婦人雑貨ディビジョン バイヤー 課長 江崎由美子氏)~Webとの連動やナチュラルコスメを強化、下期からシニアマーケットの開拓に本腰

◎QVCジャパン(マーチャンダイジング部門 ヘルス&ビューティーチームマネジャー 関根隆志氏)~手軽で便利な商品が人気集める、「韓国」「UVカット」に今後も期待

◎カタログハウス(執行役員 コスメ通販部 吉川美樹氏)~苦境しのいだ3周年前に自信の限定商品で加速を

◎ジュピターショップチャンネル(マーチャンダイジング本部コスメティックバイヤー 貝塚展子氏)~トレンド後押ししてヘアケア好調ポストオーガニックに幹細胞

◎コスメネクスト(店舗運営企画部マネージャー 大谷豪希氏)~PBのコットンが固定客化に一役、Webと店舗の融合に本腰

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