通年型または万人型といえる化粧品の訴求キーワードとして、「エイジングケア」と「保湿」がメーカーにとって押さえるべき必須条項になって久しい。
別々の文言ながら密接に関連し合う両テーマは、従来から知られていた原材料に新たなエビデンスが加わったケースや、実績素材に割って入りたい新規原材料の登場で優位性の競争度合いが増している。今特集では、化粧品原料メーカー8社の取り組みを紹介する。
安心・安全の確保で天然由来に脚光
一方で確かなはたらきが必須条件に
「美白」と「サンケア」をテーマに注目の原材料に焦点をあてた前号に続き、今回は同じく基礎化粧品の最重要訴求テーマといえる「エイジングケア」と「保湿」で各社が提案する旬な原材料にスポットをあててみた。
春号で「シミの撃退」と「紫外線対策」が密接に絡み合っていたケースと同様に、今回の「エイジングケア」と「保湿」も相互で深く関連し合う同音異義語の訴求キーワードだといっていい。
その根拠を挙げると、加齢に負けない保湿を引き出すことがシワの減少によって若さの代名詞となるハリを叶えることから、うるおいをたたえたみずみずしい肌の実現こそ「エイジングケア」に直結するという流れを現在のマーケットトレンドに見て取ることができる。
効能・効果よりも安心・安全にウエイトを置いたオーガニック化粧品が着実に台頭している。ただ、売り手の仕掛けに対し愛用者の盛り上がりがいま一つだといった指摘もある。その点、役割が明確な「エイジングケア」と「保湿」を掲げる化粧品は今後にかけ、さまざまな販売チャネルで主役の座を脅かされる気配が見えない。
「日進月歩」という命題を課せられた化粧品において、愛用者は一定のレベルに各社の製品水準がとどまることを許していない。継続的な進化は、優れた原材料が命運を握っている。
【記事掲載企業】
◎一丸ファルコス、多角的なエイジングケア目指し、新3原料を開発~「リンパ」「水」に着目、シワ、くすみ、むくみをケア
◎日光ケミカルズ、「GCS」を具現化する植物原料を豊富にラインナップ~機能性とともに環境配慮などアピール
◎山川貿易、目元ケアの新原料「SHADOWNYLTM(シャドウニル)」を拡販~くまやシワ改善に新たなアプローチ
◎JTS、大学発の新アンチエイジング原料「ナールスゲン」~画期的なエイジングケア効果を次々確認
◎エボニック デグサ ジャパン、表皮幹細胞に働きかけアンチエイジングを訴求~COSMOS認証取得の藻類由来オーガニック原料 ほか
この記事はC&T 2013年6月17日号 32ページ 掲載
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